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雨宿り」の最新版変更点

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    今日は休日、蒼星石と二人でお買い物。本来ならばとても楽しい素敵な時間。
   マ「え・・と・・荷物持つよ。」
   蒼「平気だからいいよ・・。ありがとう・・。」
   マ「あ、そう?・・・ごめんね。」
    それなのに今日はギクシャクしてしまう。
    さわやかなまでに真っ蒼に晴れ上がった空がかえって恨めしい。
    こうなってしまった原因は分かっている。昨夜のアレのせいだ。
    そう、あれは昨日の晩のこと、自分は募る想いをついに蒼星石に打ち明けることにした。
    それに対する蒼星石の返答は………
 
 
 
   蒼「・・ありがとう、マスターの気持ちはとても嬉しいよ。でもね、・・。」
    あえて感情を押し殺したように淡々と言う。
   マ「僕が相手として不足だったら遠慮せずにはっきりと断ってくれればいいんだよ。
     変に気を使ってくれないでも男らしくすっぱりと諦めるからさ。」
   蒼「違うよ、そうじゃない・・。マスターのことは僕も・・・・・、僕だって・・・。
     でも、だからこそ、マスターには幸せになって欲しいから、誰か他の人とお付き合いして欲しい。
     そして、お子さんやお孫さんに囲まれて幸せな一生を送って欲しいんだ。」
   マ「君といるのが幸せなんだ、君を愛してるんだ!君以外なんか目に入らない!! 」
   蒼「・・・人間には、人間としての幸せがあるんだ・・・。そして、ドールにはドールとしての宿命も・・・。」
   マ「そんなの・・納得いかないよ!」
   蒼「・・・・・。」
   マ「ドールも人間も関係あるもんか!この気持ちは嘘じゃない、どうか信じて欲しい!」
   蒼「信じてるよ、マスターの気持ちは分かる。でも、でも・・・僕の気持ちも分かってよ!・・・本当に、・・ごめんなさい。」
    口調こそ静かめではあったが、何か強い意志を感じさせる言葉に気圧されてそれ以上は何も言い返せなかった。
 
 
 
    結局、そのまま喧嘩別れみたいな形になってしまった。
    自分が頭を下げればとりあえずはこうもこじれずに済む気もするが、なんか釈然としないものがあった。
    ………それに、それでは何一つとして本当には解決しない気がする。
    そのことを思い出しただけでも気分がどんよりと沈んでくる。
    そう、ちょうどあの真っ黒な暗い空のようにどんよりと……、って暗い空!?
    そんなことを考えるうちに雨粒が落ちてくる。
   マ「蒼星石、こっちだ!」
    とっさに蒼星石を抱えて近くの軒下に避難する。
    まさに駆け込んだその時、空の底が抜けたような豪雨が降り始めた。
    雨の勢いは予想以上に凄まじく、視界が全く利かないほどだ。
    まさかこんなことになるとは思いもしなかったので傘なんか持っていない。
    まあ持っていたとしてもこんな滝のような土砂降りの中を歩きたくはないが。
   蒼「あの・・自分で立てるし、下ろしてくれないかな・・。」
   マ「あっ、ご、ごめん。」
    慌てて腕の中の蒼星石を下ろす。だが、よくよく考えれば焦って下ろす必要もなかった気がする。
    やはり、昨晩のことで蒼星石を変に意識してしまっているのだろう。
    気まずい沈黙が辺りを支配する。蒼星石の様子をちらっと窺うが、じっとうつむいたままこちらに目を向けようとしない。
    やるせなさに思わず目をそらしたところ、『氷』と赤い字で書かれたのぼりが目に入る。
   マ「ここでこうして突っ立ってるのもなんだから、あそこでかき氷でも食べない?」
   蒼「うん、そうしよっか・・。」
    そう提案したところ、やはり蒼星石も居たたまれなかったのだろう、すんなりと承諾した。
   マ「すみませーん。」
    古ぼけた戸をゆっくりと開けてみる。建物は古くて、まるで無人の廃屋のようにも見える。
    のれんが出ていなければここがお店だとは誰も思うまい。
   じ「はいはい、いらっしゃいませ。どうぞこちらへ。」
    奥から人の良さそうなおじいさんが現れた。促されるまま二人でお店の中に入る。
    店内は狭く、テーブルも二つしかない。これでは10人も入れないだろう。
    立地といい、店構えといい、はたしてこれで商売になるのだろうか?
   じ「さてと、ご注文が決まったら声をかけてくださいな。」
    そう言うとおじいさんはそばの椅子に腰掛けた。
   蒼「僕は・・宇治金時にする。」
   マ「・・白玉でもつけたら?」
   蒼「いいよ、もったいないから・・・。」
   マ「あっ、そう・・・。」
    やはり会話が続かない。全くもってもどかしい。
-  マ「・・・じゃあ、僕はスイを下さい。」
+  マ「・・・じゃあ、僕はスイを下さい。」   ※スイ(水):砂糖水や蜜のこと。甘露やみぞれ等の呼び名もある。
   じ「はいはい、お待ち下さいな。」
    おじいさんはそのままお店の奥に引っ込んだ。
    それと入れ替わるように、お店の奥から品の良さそうなおばあさんがお茶を持ってきた。
   ば「この土砂降りで大変でしたでしょう。よろしかったら雨がやむまでごゆっくりしていってくださいな。」
    こちらが雨具を持っていないことに気づいてそう言ってくれた。
   マ「でもご迷惑じゃありませんか?」
   ば「いいんですよ、どうせお客さんなんかほとんど来ませんし、それにおじいさんも話し相手がいてくれた方が喜びますから。
     あ、でも煩わしかったら私が止めますから言って下さいね。」
   マ「いえ、年長の方とお話しするのは嫌いではありませんし。それではお言葉に甘えさせていただきます。」
    そんな事を話していたらおじいさんがお盆を持って戻ってきた。
   じ「はいよ、宇治金時ね。」
    白玉がたっぷり乗った宇治金時の鉢が蒼星石の前に差し出される。
   蒼「あの、白玉は頼んでいませんけど・・。」
   じ「なあに、お嬢ちゃんは可愛いからの、わしからのプレゼントじゃ。」
   蒼「そ、そんな・・恐縮です・・。」
    蒼星石は恥ずかしがってなんだかもじもじしている。
   ば「私たちにも子供がいて、あなたみたいだったらどんなにか良かったかしらね・・・。」
    おばあさんがどこか寂しげにそう言った。
   蒼「あ・・・おじいさん、おばあさん、ありがとうございます。喜んでいただきますね。」
    蒼星石が照れるのをやめ、二人に向かってにこりと微笑みかけながらお礼を言った。
    この子はこういうところは本当にしっかりしている。相手のことを考えて行動しようと出来るいい子だと思う。
   じ「それでこちらさんがスイと。」
    自分の目の前に高々と氷がそびえる丼が差し出された。
   マ「あの・・・こんな大盛りで頼んではいませんけど。」
    明らかに何かが間違っているのが一目で分かる量だ。
   じ「なあに、スイを頼むなんて渋いところが気に入ったからの、わしからのおごりじゃ。」
   マ「あ、ありがとうございます。」
    顔面が引きつるのを感じながら何とかお礼を言う。
    自分は大食いな方だから食べられるだろうが、一歩間違えればただの嫌がらせだ。
    何はともあれ、かき氷を食べ始める。
 マ・蒼「いただきます。」
    ・・・こういうのは手を合わせるタイミングまでばっちり揃うのになあ、はぁ。
   マ「しかし、この辺には長いこと住んでいますが、こんなところにお店があったんですね。」
    うず高い氷の山を崩壊させないように慎重に食べながらおじいさんに話しかける。
   じ「はっはっは、この店は商売ではなく道楽のようなもんでのう。
     時折あんた方みたいな若い連中と接するのが楽しみで店を開けるようなもんじゃ。」
    なるほど、商売は度外視か。まあ、年金でゆったり生活する片手間とかならこれでもいいのだろう。
   ば「ただねえ、この辺も昔は活気があって栄えていたんですよ。
     でもこの辺りを取り仕切っていた名家が無くなってから廃れる一方で・・・。」
   マ「へえ、そうだったんですか。全く知りませんでした。」
   じ「・・・ある時のう、その名家の一人娘であるご令嬢と使用人の男が恋に落ちてしまったんじゃ。
     じゃが、男は卑しい身分の出、周囲からは受け入れられるべくも無かった。よくある身分違いの悲恋というやつじゃな。
     そして・・・」
    話好きだというおじいさんが早速語りはじめた。
   マ「・・・どうなったんですか?」
    悲恋というのに興味をそそられ先を促す。
   じ「そして、結局二人とも死んでしまったんじゃ。それでその名家も終わってしまった。」
   マ「心中ですか?」
   じ「いや違う。最初二人は駆け落ちするつもりだった。女は家を捨て、つつましくとも二人で暮らせれば良いと言った。
     しかし、約束の場所に男は現れなかった。そして女は家人に連れ戻され、男が自殺したのを知った。
     自分ではあなたを幸せにできない、どうかふさわしい身分の人間と幸せになって欲しいという遺書を遺してな・・・。
     だがその願いも空しく女は男を失った悲しみでそのまま病に伏せ、後を追うかのように死んでしまった。」
   マ「まったく救われない話ですね・・・。」
    なんとなく昨日のことが思い出されるせいか、まるで我が事のように思えてしまう。
   じ「残酷じゃが、世の中なんてそんなもんじゃよ。万事めでたしめでたしなんて夢物語くらいのもんじゃ。」
   マ「いったい・・その二人はどうすれば良かったんでしょうね・・・。」
    自分と蒼星石の行く末に漠然とした不安を覚え、何かにすがるような気持ちで問いかけた。
   じ「ふむ、どうすれば良かったかなんてのは分からんのう。物事なんて所詮結果論でしか判断できんからな。
     じゃが、男の判断に間違っていたところがあったとするならば、それは逃げたことじゃ。
     男は自分が女から奪ってしまうのが怖かったんじゃ。地位や名誉、安定した暮らしといったものを。
     そして逃げ出してしまった、その重圧の大きさに耐えかねてしまっての。
     忘れてしまっていたんじゃ・・・自分だけが女に与えられたものも、同時に大きなものであったことを・・・。
     結局は我が身可愛さに女のことを見捨てたようなもんじゃろう。」
   ば「女性のほうにも非はあると思いますよ。」
    意外なことにそこでおばあさんが口を挟んできた。
   ば「女性は自分さえ譲歩すれば何も問題がないと思っていたのでしょう。愛に比べれば家や財産なんてどうだって良いのだと。
     それは間違ってはいなかったのかもしれない、でもそれこそが愛する人を精神的に追い込んでしまっていた。
     ・・・確かに愛情がなかったならばそうした苦境は乗り越えられはしないでしょうね、
     しかし愛という響きの美しさに目がくらんで問題の本質が見えていなかったんだと思いますよ・・・。
     相手のために逆境に挑むつもりでも、実際はただ傲慢だっただけかもしれませんね。」
    そう言うと二人とも沈痛な面持ちになってしまった。
   じ「結局のところ・・・二人は自分たちの間に立ちふさがる壁に負けてしまったんじゃ。
     男は壁から逃げ、女はただ壁から目をそらしただけだったんじゃろうなあ。」
    おじいさんが感慨深げにそうもらす。
   蒼「そんな身分の壁さえ無かったら二人はきっと幸せになれたんでしょうね・・・。」
    それまで黙って聞いていた蒼星石がぽつりともらす。
   じ「さあて、それはどうかのう。お説教くさくて恐縮じゃが、人間はいくらでも区別し、『壁』を作るもんじゃ。
     同じ人間同士でさえも性別、出身地、容姿、学歴、年齢、・・どんなものにでも境目を作ってしまう、そして差別してしまう。」
   蒼「悲しいですね・・・。」
   じ「楽なんじゃろうなあ・・・。『壁』を作って、切り離してしまえば自分とは異質のものを何とかしようとせんでも済む。
     さっきの二人も『壁』に挑める人間で無い限り、別の『壁』に立ち塞がられて不幸になっていたかもしれん。
     やはりどこかで『壁』を乗り越えるか、『壁』をぶち破るかしなきゃならんのじゃろうな。」
   マ「そうすれば・・お二人みたいな素敵な夫婦になれましたかね?」
   じ「ははは、これは嬉しいことを言ってくれますな。
     そうじゃな、何であれお互いが間にある『壁』をどうにかしようとすれば何とかなると信じたいのう。」
   マ「いったい何をすればいいんでしょうね?」
   じ「結局『壁』なんてどこにでもあるし、いくらでも新しく出来てしまうんじゃ。問題はその『壁』に挑むかどうかじゃろうな。
     無論、『壁』に勝てるかは分からんし、どちらか一方でも『壁』の存在を望んでしまえばそれまでじゃ。
     ただ、どんなに厚く、高い『壁』であろうと、その向こうに求めているものがあると思うのなら駄目元でも挑むべきじゃろ?
     少なくとも、今のわしだったらそうするのう。」
   マ「挑むかどうか・・・。」
    確かに今までそういったことは全く考えてはこなかった。
    自分と蒼星石の間に存在する『壁』のことも、そして蒼星石が何に対して負い目を感じてしまっているのかも。
    目をそらしていたと言うよりも、あると認識していなかったというのが正しいだろう。
    でも、それじゃあいけなかったんだな・・・。
   ば「おじいさん、雨もやんだようですしそろそろお止しになったらどうですか?」
   じ「そうじゃな、年寄りの長話で若い二人の時間を奪っても悪いしのう。」
   マ「長々とお邪魔してすみません。いろいろとご馳走様でした。あと、ありがたいお話をありがとうございました。」
    席を立って代金を支払おうとしたところ、おじいさんが笑顔で制止してきた。
   じ「御代は結構じゃ。今日は久しぶりにたくさん話ができて楽しかったからのう。」
   マ「そんな訳には・・・。」
   じ「ふむ、それじゃあ代わりに一つ約束してくれんか?
     あんたとその娘さんの笑顔をたまに見せに来てもらえんかのう。」
    常連になってちょくちょく顔を出せばいいのだろうか?まあ、喜んでもらえるならそれもいいかもしれない。
   マ「そうですか、分かりました。今日のところはお言葉に甘えさせていただきます。
     では次に来た時から御代を支払わせてもらいますね。」
   じ「そうかそうか、それはありがたいのお。」
   蒼「本当にご馳走様でした。おじいさん、おばあさん、さようなら。」
   マ「ご馳走様でした。また来ますね。」
    そう行って二人で店を出る。
   じ「約束じゃぞ。お二人さんの幸せそうな笑顔を待っとるぞ。」
   ば「それでは、お二人とも、どうかお幸せに・・・。」
   じ「お前さん達はわしらのようになってはいかんぞ・・・。」
    投げかけられた二人のの言葉に何か妙なものを感じながら、最後にもう一度挨拶をしようと振り返る。
   マ「あ・・・!」
    言葉を失い、思わずそのまま立ち尽くす。
    そこには何も無かった…。さっきまで自分たちが居たはずのお店も、おじいさんとおばあさんの姿も…。
    あるのはただの廃屋、それも元々は大きなお屋敷だったと思われる・・・。
    しばらくして蒼星石が口を開いた。
   蒼「もしかして、さっきのおじいさんとおばあさんはあのお話の二人・・・。」
   マ「・・・・・・。」
   蒼「マスター?」
   マ「・・・たぶん、その通りだと思う。それでさっきの二人が教えてくれたことについて考えてみたんだ。」
   蒼「え?」
   マ「ちょっとだけ・・・話を聞いてもらえるかな?」
   蒼「分かった・・・。」
   マ「昨日、ドールも人間も関係ないって言ったよね。」
   蒼「う、うん・・・。」
   マ「あれは誓って嘘じゃない。だけど・・・軽はずみだった。
     蒼星石がどう考えていたのかも考えずに、自分の気持ちだけを押し付けてしまっていた。」
   蒼「・・・・・・。」
   マ「もちろんまだ不十分だろうけれど、いろいろと考えてみた。
     君と共に生きるのを選択することで得られるもの、そして得られなくなるもの。
     君が言ったように子供や孫と暮らしたり、家族で行楽地なんかに出かけたり、
     そういった人としてありふれた形の幸福が手に入らないのは分かる。
     だけど、それでも君と添い遂げたいんだ。君と居ることで得られる幸せの方がはるかに大きいと思ったんだ。
     だから、自分はこれからもそれを望み続けると思う。たとえ、君に拒まれてしまっても心の中だけでは。
     言い方が悪いかもしれないけれど、それが・・・自分の中でいろいろと天秤にかけた上での結論だったんだ。」
   蒼「・・・・・・。」
   マ「・・・最後まで聞いてくれてありがとう。それじゃあ帰りますか。」
   蒼「待って!」
   マ「ん?」
   蒼「マスターばかり言いたいことを言ってずるいよ。結局、僕の気持ちを分かろうとしてくれないなんて。」
   マ「全くもってその通りだね。口では偉そうなことを言ってもやっぱり拒まれるのが怖かったんだ。ごめんね・・・。
     自分の発言に責任を持って男らしくすっぱりと諦めるよ。」
   蒼「ほら、また僕の気持ちを勝手に決め付けてる。・・・これから、きちんと返事をするからね。」
   マ「は、はい・・・。」
   蒼「・・・正直言うと僕自身でもまだ自分の気持ちが分からないところがあるんだ。
     今までこんなことはなかったし、やはり僕たちが人間とドールだというのも無視はできない。
     だけど、今までのマスターとの関係はとても大好きだよ。ずっと、マスターと一緒にいたいと思ってる。
     ・・・でも、果たしてそれがマスターの望む通りになるか、本当に幸福でいてもらえるのかまだ自信が持てないんだ。
     だから、虫の良い話だけれど当分は今まで通りでいさせてもらいたい。
     その間にマスターが他のもっと大きな幸せを見つけられるかもしれないし、
     ひょっとしたら・・・僕もマスターの想いに対する答えを見つけられるかもしれないから。」
   マ「ありがとう・・・。十分すぎるお答えですよ。じゃあ、今度こそ帰りましょうかね。」
    そう言うと蒼星石をひょいと抱き上げる。
   蒼「わっ、マスター、恥ずかしいよ!」
   マ「あはははっ、これが今まで通りじゃないの、遠慮しないで。」
    蒼星石の拒絶を軽く無視してしっかりと抱き締める。
   蒼「だ、だっていつもはこんな人目につきそうなところじゃないし・・・。」
   マ「うん、早速もっと大きな幸せを手に入れられた気がするぞ!いやー、僕は果報者だ。」
   蒼「うー・・・もうマスターなんか知らないんだからねっ!」
   マ「ありゃりゃ、新たな不幸もゲットしちゃったかな?」
   蒼「もう、調子に乗りすぎ!」
    恥ずかしそうな蒼星石が真っ赤な顔をこちらの胸にうずめて隠す。
    空にはもう雲ひとつなく、どこまでもさわやかに蒼く晴れ渡っていた。