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「重陽の節句」(2006/09/10 (日) 01:13:34) の最新版変更点
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マ「今日は重陽の節句か・・・。」
蒼「重陽の節句って何?」
マ「えーと、中国由来の行事で、九月九日で、菊がどうのこうの・・・。」
蒼「・・・・・。」
マ「・・・調べてみる。」
『重陽の節句』
古来中国では、奇数は良いことを表す陽数、偶数は悪いことを示す陰数と考えました。
その奇数が連なる日をお祝いしたのが五節句の始まりです。
●五節句●
1月7日 人日(じんじつ)=七草の節句 ※1月1日の元旦は別格
3月3日 上巳(じょうし)=桃の節句
5月5日 端午(たんご)=菖蒲の節句
7月7日 七夕(しちせき・たなばた)=竹・笹の節句
9月9日 重陽(ちょうよう)=菊の節句
その中でも一番大きな陽数(9)が重なる9月9日を、陽が重なると書いて「重陽の節句」と定め、
不老長寿や繁栄を願ってお祝いをしてきたのです。今では五節句の中でも影が薄くなりましたが、
五節句を締めくくる行事として当時は最も盛んだったそうです。
菊の花を飾ってお酒を酌み交わしたり、栗ご飯を食べたりすることで邪気を払い長寿を願います。
マ「だ、そうです。」
蒼「ふうん、長寿を願うんだ。じゃあぜひうちでもやらなくちゃね。」
マ「なら菊の花と栗と餅米を買ってこないと。」
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マ「ふう、ご馳走様。栗ご飯美味しかったね。」
蒼「気に入ってもらえて嬉しいな。それじゃあちょっと待ってて。」
そう言って蒼星石が台所へと向かうと、とっくりと杯をお盆に載せて戻ってきた。
蒼「さあ、あとはお酒を酌み交わすだけだね。」
マ「たまにはお酒を飲むってのもいいかもね。」
蒼「そういえばマスターはお酒を飲まないよね。もしかして、お酒ダメ?」
マ「いや、飲めはするけどよほど美味しいお酒でなきゃ付き合い以外で飲みたいとは思わないだけ。」
蒼「これって普段料理用に使ってるお酒だからそんなに上等じゃないなあ・・・。」
マ「蒼星石と飲むんなら問題ないさ。」
蒼「そっか、付き合いになるもんね。」
マ「いや・・・蒼星石と一緒に飲めばただの水だって至高の美酒に勝るさ。」
蒼「マ、マスター・・・!」
マ「・・・なーんて、ちょっとかっこつけすぎたかな?」
蒼「もう、変な冗談なんて言ってないで、はい。」
言葉と共に差し出された杯をマスターが受け取る。
マ「冗談じゃないよ?それもこうして蒼星石についでもらったならなおのことね。」
蒼「もう・・・今度はマスターの番だよ。」
蒼星石も杯を手に取る。
マ「へえ、蒼星石もお酒を飲むんだね。ちょっと意外だな。」
蒼「まあね、酌み交わさないとだしね。未成年じゃないし問題ないでしょ?」
マ「確かに。はい、一献どうぞ。せっかくだからお月様でも見ながら飲みますか。」
そのまま二人で窓辺に移動して乾杯すると、月を愛でながら飲み進めていく。
蒼「たまにはこういうのもいいね。これで満月だったら言うことなしだったんだけどね。」
マ「そうかなあ、これはこれで欠けた月にしかない美しさや趣があっていいと思うけど。
まあ、僕がひねくれた変わり者ってだけかもしれないけどね。」
蒼「・・・マスター。」
蒼星石が隣に座っていたマスターにそっと寄りかかる。
マ「どうしたの?」
蒼「ちょっと・・・酔っ払っちゃったのかな?」
マ「へえ、ドールも酔うんだね。そういえば顔も少し赤くなってる。いつもの疲れが出ちゃったのかもね、もう横になる?」
蒼「うん、そうさせてもらう・・・。」
そのまま蒼星石がマスターの膝に自分の頭を移動させる。
マ「おやおや、これまた珍しいことで。」
蒼「迷惑、かな?」
マ「まさか。ずっとでもこうしていたいくらいだよ。」
そう言うと優しく蒼星石の頭を撫でる。
蒼「僕も・・・ずっとこうしていたいな・・・。マスター、重陽の節句をちゃんとしたから長生きできるよね?」
マ「ああ、きっと幸せに長生きするよ。・・・蒼星石のおかげでね。」
蒼「本当?約束だよ・・・。」
マ「うん、約束だ。絶対に守るよ。」
蒼「絶対・・・だからね・・・。」
そのまま蒼星石の目が閉じられる。
マ「寝ちゃったのか・・・。いつもお疲れ様。・・・本当にありがとう。」
マスターが蒼星石を撫でる手を止め、優しい目で見守る。
マ「さてと、それじゃあ鞄に・・・・・・もうしばらくこうさせてもらおうかな・・・。」
蒼(マスター、酔っぱらっちゃっただなんて嘘ついてごめんなさい。でも、こうでもしないと僕・・・。)
二人とも、しばらくそのままでいた。
その想いは一つ、
・・・ずっと、このままでいられたら・・・
[Fin]