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百物語」の最新版変更点

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   「ただいま・・・って、これまた今日はにぎやかなことで・・・。」
   帰ってきてふすまを開けたマスターが驚きの声を上げる。
   無理もない、部屋には車座に六人のドールたちとジュン君、のりさんに巴ちゃんが座っていたのだから。
 
  ※みっちゃんさんは仕事の都合で涙ながらに参加を断念したそうだ。一堂に会した僕らの様子を写真に撮りたがっていたらしいが。
 
  の「おじゃましてまーす。」
  巴「こんばんは・・・。」
   「あ、どうも。ところでこんな大勢でどうしたの?」
  真「百物語をやるのだわ。」
   「これまた微妙に季節外れなことを・・・。」
  真「あら、あなたくんくんを侮辱する気?あの方はおっしゃったわ、『この事件の鍵は百物語にある!』と。
    だから私たちも百物語をしておいて、いざという時にはあの方をお助けできるようにするのだわ!」
   劇中ではそういう意味ではなかった気もするが、こうなった真紅は止めようがないので付き合うしかない。
   なぜか他の姉妹たちも乗り気になってしまっているし。
   「なるほどねぇ・・・。」
   言いながらマスターが水銀燈のほうに目をやる。やはりマスターにとっても彼女が参加するのは意外だったのだろう。
  銀「ふ、ふん、私はおばかな真紅たちに仕方なく付き合っているだけだわぁ。
    それで何も起きなかったら無様な姿を思う存分笑ってやるんだから。」
   何も聞かれてもいないのに言い訳を始める。隠しているつもりなのだろうが彼女もやる気満々だ。
   これまた意外なことではあったが、どこかでしっかりとくんくんを見ていたらしい。
  雛「みんなでお話するのー。ねー、トモエー♪」
  巴「そうね、楽しみね、雛苺。」
   雛苺はなんか楽しそうだ。はたして彼女は百物語というものを理解しているのだろうか?
   「えーと、百物語って事は一人当たり十回も話さなきゃならないのか。急に振られてもそんなに怪談話なんて無いよ?」
  真「あなたの順番は最後にしてあげるから、やりながら思い出せばいいのだわ!さっさと開始するのだわ!」
   「はいはい。」
   マスターが僕の隣、姿見の前に空いていたスペースに腰を下ろす。
   そうしていよいよ百物語が始まった。みんな自分が今まで見聞きした怪談を披露する。
   真紅はイギリスの怪談、雛苺はフランスの怪談、水銀燈は病院もの中心、のりさんと巴ちゃんが学校での怖い話、
   ジュン君がインターネットで話題の都市伝説、といったようにそれぞれがなかなかうまく異なったタイプの話をする。
   そんな中マスターは・・・
   「・・・次の瞬間、鏡に映った自分が突然この世のものとも思えぬ恐ろしい形相で笑みを浮かべたと思ったら、
    不気味な光を放つ鏡の中へと消えていってしまったという・・・。」
  翠「それって水銀燈の仕業じゃねえですかぁ?」
  銀「ちょっとぉ、失礼なこと言わないでよ!でも、確かに私なら普通に出来ちゃうことねぇ。」
   「あ、あははっ、そうかもね。まあとりあえずろうそくは消すね。」
   帰ってきていきなり動員され、全く準備をしていないこともあり悪戦苦闘していた。
   ・・・正直言って怖い話ばかりで少し参っていたのでちょっとほっとする。
   「大丈夫、怖くない?」
   マスターが小声で聞いてきた。
  蒼「子供じゃないんだから大丈夫だよ。」
   他の姉妹たちの手前もあり、ついきつい言い方をしてしまう。
   本当はそうやって気にかけてもらえているのがすごく嬉しかったのに。
   ひょっとしたらマスターは僕のことを案じてくれてわざとあまり怖くない話を・・・というのはいくらなんでも自惚れが過ぎるか。
   何はともあれ百物語は着々と進行し、ついにその時が来た。
  真「さあ、いよいよ最後の百話目なのだわ。」
  翠「よりによってこいつがトリですか。また下らねえ話で尻すぼみで終わっちまいそうですねえ。」
   「そうだな・・・それじゃあ最後はとっておきの話としましょうか。」
   その言葉にみんなが期待と不安の入り混じった目でマスターに注目する。
   「まず最初に、これは作り話ではなく事実だと予告しておこう。」
   最後の一本のろうそくを手に取ってマスターが言う。
   闇の中、下からろうそくの炎で照らし出される顔はまるで別人のようにも見える。
  金「そ、そんなありきたりな脅しはカナには通用しないのかしらー・・。」
   そう言いながら声が震えている。かく言う僕も、漂い始めた異様な雰囲気に背筋に不気味なものを感じる。
   「実はね、百物語ってのは鏡のあるところでやってはいけないんだ・・・。
    特に、百話目を、こんな大きな鏡の前ではね・・・。」
   今までとは違うマスターの神妙な話しぶりにみんなが緊張した面持ちで耳を傾ける。
   「百物語、それは百話分の怪談のエネルギーによって異界との扉を開きやすくしてしまう行為なんだ。
    そして・・・鏡というのはその扉が現れる場所として非常に相性が良い。
    だから、以前にそこで百話目をしてしまったある者は・・・」
  翠「ど・・・どうなったですか?」
   「消えちゃった・・・。百話目が終わり、ろうそくを吹き消した後に『あるもの』がやって来た・・・。
    その『あるもの』が姿を現した時・・・居合わせた誰もが自分の目を疑った。そして・・・消えてしまった。
    話をしていたはずの人間がやって来た『あるもの』と共に消えてしまったんだ・・・・・永遠に。
    さあ・・・これでお話はおしまい。じゃあ・・・、消すね。」
  蒼「マ、マスター本当に消すの?」
   「百本目が消えたら何かが起こりそうで怖い?」
  蒼「こ、怖いんじゃ・・・それもあるけど、なんだかマスターが本当に消えちゃったらって心配で・・・。」
   「そっか、君にとても大切に思われてるんだね・・・。」
  蒼「も・・もう、変なこと言わないでよ!」
   マスターが心なしか口の端を吊り上げて、ふっと笑いながらろうそくを吹き消した。
   部屋が真っ暗闇に包み込まれる。
   この後に何かが起こるのか、部屋の中の誰もが神経を研ぎ澄ませていた。
  翠「ちょっ、何か今玄関の方で音がしなかったですか!?」
  銀「気、気のせいじゃないのぉ?」
  蒼「いや、確かに戸の開くような音がした。」
  金「あ、足音も聞こえないかしらー!?」
   だんだんと、足音がこちらのほうに近づいてくる。
  雛「ヒナ、こわいのー!」
   巴ちゃんがしがみつく雛苺をぎゅっと抱きしめる。
  真「ちょっと、みんな落ち着きなさい。」
   そして足音が部屋の前で止まる。一同が固唾を呑んでふすまを見つめる。
   ついに・・・ふすまが開いた!!
 
 
   その場の全員が我が目を疑い凍りつく。
  マ「ただいま・・・って、これまた今日はにぎやかなことで・・・。」
   ふすまを開けて立っていたのが、たった今百話目を話し終えたはずのマスターだったからだ。
  マ「ところでこんな大勢で真っ暗な部屋で何してるの?」
  巴「百物語ですけど・・・。」
  マ「へえ、ちょっと季節外れだけど面白そうだね。もう終わっちゃったの?」
  ジ「じゃ、じゃあ、さっきまでそこで話をしていたのは誰なんだよ!」
   ジュン君の一言でみんなの視線がいっせいに鏡の前に集まる。
   そこには不気味な光を放つ鏡に吸い込まれ、今まさに消えようとする男の手だけがわずかに残っていた。
   鏡の中では、男がこの世のものとも思えぬ恐ろしい形相で笑みを浮かべていた。
   みんな声にならない悲鳴を上げてあたふたとしている。
   そんな騒ぎの中、一人だけ事情を知らないマスターがのんきに言う。
  マ「蒼星石、今nのフィールドで先に帰ってったの誰?僕の知らない人?」
  蒼「nのフィールド・・・?あっ、そうか!」
  雛「どうしたのー、蒼星石ー?」
  蒼「今までここにいたのは・・・ラプラスの化けた偽者だったんだ!」
   その場の全員がはっとする。
  雛「うゆー、蒼星石すごいのー!くんくんみたいなのー!!」
  真「あの兎・・・今度こそ尻尾を引っこ抜いてやるのだわ!」
  金「カ、カナは最初っからまるっとお見通しだったかしらー。」
  銀「・・・こんなことで大騒ぎしちゃって、ほんとにほんとにおばかさぁん。」
  翠「てめえもしっかりと騒ぎに加わっていたですがね。」
  銀「なぁんですってえ!」
  マ「あの・・・一部が異様に殺伐としてるけど百物語しに来たんだよね?アリスゲームはやめてよね。」
   未だに事態を把握できないマスターをよそに、こうして僕らの百物語は何事も無く幕を下ろしたのであった。
 
 
        めでたし、めでたし・・・
 
 
 
 
 
  ラ「ふぅ・・・なーんか最近、人形屋のバイトばかりで特に面白いことも無く退屈ですねぇ・・・。
    体育の日とやらにでも、久しぶりに何かやらかしちゃいましょうか・・・、トリビァル!」
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+                [[ちなみにやらかしたのはこれです>薔薇乙女たちが運動会]]