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選択肢」(2006/07/14 (金) 21:58:18) の最新版変更点

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マ「あー、いい湯だった。」  夏のお風呂は寒い冬のそれとはまた違った良さがある。  日中に散々かいた汗を流してさっぱりとする気持ちよさは他では味わえない。  さて、入浴も済んだし、後は寝るばかりである。  それまでを蒼星石と二人きりで過ごすのは一日の最後にして最高の時間だ。 マ「蒼星石今夜時間ある?」 蒼「特に用事はないよ。」 マ「じゃあ今から二人で遊ぼうか。」 蒼「うん。」  笑顔でそう言ってくれる。こちらが付き合わせてしまってるのに喜んでくれているのが嬉しい。 マ「じゃあ、準備をするからちょっと待ってて。」  各部屋をまわって、窓とカーテンを閉める。 マ「じゃあ電気を消すね。」 蒼「何をするの?真っ暗になっちゃうよ。」 マ「うん、真っ暗闇のほうが気分が出るからね。」 蒼「暗闇で…何をするのさ?」 マ「初めてだったらちょっと怖い事かもね。」 蒼「怖いのは…嫌だよ。」 マ「確かに怖かもしれないけれど、楽しめるようなムード作りをしたいから。   明るいところでやるのもちょっと興醒めだからねえ。」 蒼「楽しむだなんて、それに遊びでだなんt…」  カセットを挿し込み、スイッチを入れ、テレビをつける。  辺りに透き通った感じはするが、どこか寂しげで怖気だつような音楽が流れ出す。 蒼「これは?」 マ「選択肢で物語の展開が変化するサウンドノベルというジャンルのゲームだよ。   結構好きなシリーズなんだけど、この夏最新作が出るらしいから今のうちに旧作をやっておこうと思ってね。」 蒼「さっきムードがどうこうって…。」 マ「雪山での殺人事件がテーマだから、なんとなくこうした方が雰囲気が出るでしょ。」 蒼「マスターって…、悪趣味だよね。いつもそうやってボクをからかって…。」 マ「まあホラーみたくグロッちくはないと思うからさ、お付き合いしてよ。」  そんなことを言いつつ自分は主人公の名前の入力を済ませる。  普段はデフォルトの名前があれば、それを使うが今回は本名にしてみた。  このゲームでの本名プレイは微妙だが、やはり相手がいるならやってみたい気もする。  そして『彼女』の名前を入力する画面に変わる。 マ「『彼女』役に蒼星石の名前借りていいかな?」 蒼「別に構わないけれど、主人公とこの人って…。」 マ「友達以上恋人未満、ってやつかな。まあ定番の関係だよね。」 蒼「恋人…未満か…。」 マ「ありゃ、『蒼』がない。じゃあ、『瑠璃』…も無理か。ひらがなで『そうせいせき』なら…かろうじて入るな。   それとも『そう』の方がいい?」 蒼「…別に、どっちでもいいよ。」  心なしかさっきから蒼星石がつまらなそうにしている気がする。  なんとか元気付けたいものだが…。 マ「せっかくだから蒼星石がやってみる?」  少しは気が紛れるかと思い、そう提案する。 蒼「え、ボクが?」 マ「全部は見てないけれど、犯人とかトリックとかを含めてある程度知っちゃってるからさ。   むしろ蒼星石がやってるのを見た方が展開が読めなくて面白そうだし。」 蒼「そうなの?分かった、じゃあやってみるね。どう進めていけばいいのかな?」 マ「基本はこのボタンで文章を読み進めて、時々選択肢が出るからそのときは上下に移動させてボタンで決定。   あとは選んだ内容に応じてその後の話の進み方が変わるから。」  そんなこんなで結局ヒロインの名前は『そうせいせき』にして一回目のプレイが始まった。  今はまだ最初のうちの和やかな旅行の場面だ。まだあの惨劇の影は見えず、『僕』と『そうせいせき』も楽しそうだ。  蒼星石もそんな様子を見てまるで我が事のように顔をほころばせている。  ……今度二人で旅行にでも行こうか。そうしたらもっと素敵な笑顔を見せてくれるのではないだろうか。なんとなくそんな気がした。  さて、ゲームの中ではそんな楽しいスキーも終わり迎え、『二人』がペンションに戻ってくる。  今はまだ平和なペンションももうじき惨劇の舞台となってしまう。そう思うと蒼星石の笑顔が胸に痛い。  そう、もうじき死体が発見されてしまえば………  ………あ、社長のお誘いを受けて大阪に行ってしまった。誰も死ななかったけれど、『僕』と『そうせいせき』はお別れしてしまうエンドだ。  心なしか蒼星石がしょげている。『僕』が『そうせいせき』と結ばれなかったからだというのは自惚れだろうか?  何はともあれ気を取り直して再プレイ。       『こんや12じだれかがしぬ』  話は着々と進み、ついに恐怖が姿を見せ始めた。  バラバラ死体の発見、真実味を帯びだした脅迫文、ペンションに閉じ込められた宿泊客達…、さまざまな要素に彩られた恐怖が。  ……そして二回目のエンディングは見事に『僕』が犯人に殺されてしまった。まあ妥当な結果だろう。 蒼「マスターが…殺されちゃった。」  唖然としながら言う。 マ「まあ、そういうゲームだからね。気にしない、気にしない。」  その後は次第に生き延びて展開を進められるようになっていく。  それと同時に次々と発見される死体、死体、死体。  次第に蒼星石がこちらに体を寄せてくる。  ドラマなんかと違いシルエットである分、かえって自分がもっとも恐れる姿を重ねてしまっているのだろう。  まあ犯人が美樹本だと知っていればここまで殺されまくりはしないのだが、初プレイではこんなものだろうな。  犯人の見当が付かず、何回も何回も無残にも殺されてしまう。だからこそ犯人を捕らえたときの喜びもひとしおなのだろう。  …自分はネタバレしていたのでそんな感動は味わえなかったが。  まあ、蒼星石からそれを奪うこともあるまい。  その後も何度も何度も犯人の餌食になってしまう『僕』。あとその他の宿泊客。  『そうせいせき』も何度か殺されている。というか勘違いした『僕』が殺してしまったのもある。  はっきり言って非常に気まずくなった。思わず謝ってしまった僕を蒼星石は笑って許してくれたが。  いつの間にやら蒼星石は自分の横にぴったりと寄り添っている。  そのうち、いつもお茶をがぶがぶ飲むせいかトイレに行きたくなった。 マ「ごめん、ちょっとお手洗いに行ってくる。」 蒼「え、一人にしないで。」 マ「すぐ戻ってくるから、ね?」 蒼「……マスター、ボクもついていっていい?」 マ「えと、電気は点けててくれていいから。」 蒼「それでも怖いよ。自分が…ってのもあるけれど、なんかマスターが帰ってこないような気がして。」  我が家に殺人鬼が潜んでいるはずはないのだが、確かにこの手のものを体験したあとは物陰に何かが潜んでいるような、  そういった疑心暗鬼に襲われてしまうというのは自分も経験があるから良く分かる。  だが、そこでこちらの身を案じてくれるというのがいかにも蒼星石らしい。 マ「じゃあお願いするかな。」  二人で手をつないでお手洗いへ行く。当たり前だがこんな事をするのは初めてなのでなんか新鮮だ。 マ「お待たせ。」  不安そうにしながら待っていた蒼星石が話しかけてきた。 蒼「マスター、ボクの事うっとうしいって思ってない?」 マ「まさか!僕も昔あれを初めてやった時はしばらく暗いところとかが怖かったし、   それにこうして二人で引っ付いていられると無性に嬉しいし、全然煩わしくなんかないよ。」 蒼「そ、そう?ボクもそうなんだ。マスターと一緒で嬉しいな…。」 マ「結局のところ似たもの同士なんだろうね、あはは。」 蒼「そうかもね、へへっ。」 マ「ただ、蒼星石はもっと素直になってくれてもいいかな。」 蒼「ボク…マスターに対してそんなに反抗的だったかな?」  蒼星石はしゅんとしてしまう。 マ「そうじゃなくって、自分に対して素直にね。今みたいにこちらの事をいつも気遣ってくれるのはとっても嬉しいんだけれど、   蒼星石にも蒼星石がしたいようにして欲しい。変にこっちの迷惑を気にして我慢しないで欲しいんだ。   たぶんそうやってお互いが自分に素直になれた方が、お互いにもっと幸せだと思うんだ。   だから今みたいに心細い事があったりしたら、気兼ねなく僕に伝えて欲しい。出来る限りのことはするから。」 蒼「うん…、じゃあボクも出来る限りやるから何かあったら気にせずに言ってね、約束だよ!」 マ「ああ、約束ね。」 マ「どうする?続きやる?」  就寝時間にはまだ少しあるが蒼星石はもう嫌かもしれない。 蒼「うん、もう少しやるけど。……ねえマスター、膝に乗せて?」 マ「え!?ああ、いいよ。」  という事で意外にも早速甘えてきてくれた蒼星石を膝の上にちょこんと乗っけてプレイ再開。  怖いシーンがあったりすると、不安げにこちらの顔をチラチラ見てくるのがなんか可愛くてたまらない。  その後も死ぬ、死ぬ。未だ犯人に皆目見当が付かないといった感じだ。  そのうち成り行きに不穏なものを覚える。  この展開は、確か………。  『あなたがみんなを殺したのね!!』       ザクゥッ!  あー、やっぱり『僕』が『そうせいせき』に殺された。 蒼「マ、マスターがぁぁ!」  いきなりの悲鳴にこっちが驚いてしまう。 蒼「マスターごめんなさい、ごめんなさい。」 マ「あー、ゲームなんだから気にしないの。」  くんくんを見ている時もそうだけれど、蒼星石は話への集中力がすごい。すなわち感情移入もすごい。  ショッキングなシ-ンではあるが、何もそこまで、と言いたくなる程に蒼星石は動揺している。  今まで頑張って恐怖を抑えていたところにダメ押しとなってしまったのだろう。 マ「さっきは『僕』が『そうせいせき』を殺しちゃったし、これでおあいこでいいじゃん。」  すっごく嫌なおあいこではあるが、とりあえずそう言ってなだめる。 マ「じゃあ今日はもう止めて寝よっか。」  時間も遅くなってきたのでゲームを打ち切って寝ることを提案する。  結局犯人にはたどり着けなかったが、もともと一晩で終わるような分量ではないので気にしない。 蒼「マスター、今日は一緒に…。」 マ「ああ、一緒に寝てくれないかな?」  二人で布団に入り、蒼星石に腕枕をする。  蒼星石はこちらを向いてはいるが、何かを考えるように黙っている。  どれほど時間が経ったところでか… A.[[僕は蒼星石に話しかけることにした]]。 B.[[蒼星石がこちらに話しかけてきた]]。 C.[[いきなり蒼星石が僕を……!]] C'.[[いきなり蒼星石が僕を……!!]](※グロ注意)
マ「あー、いい湯だった。」   夏のお風呂は寒い冬のそれとはまた違った良さがある。   日中に散々かいた汗を流してさっぱりとする気持ちよさは他では味わえない。   さて、入浴も済んだし、後は寝るばかりである。   それまでを蒼星石と二人きりで過ごすのは一日の最後にして最高の時間だ。 マ「蒼星石今夜時間ある?」 蒼「特に用事はないよ。」 マ「じゃあ今から二人で遊ぼうか。」 蒼「うん。」   笑顔でそう言ってくれる。こちらが付き合わせてしまってるのに喜んでくれているのが嬉しい。 マ「じゃあ、準備をするからちょっと待ってて。」   各部屋をまわって、窓とカーテンを閉める。 マ「じゃあ電気を消すね。」 蒼「何をするの?真っ暗になっちゃうよ。」 マ「うん、真っ暗闇のほうが気分が出るからね。」 蒼「暗闇で…何をするのさ?」 マ「初めてだったらちょっと怖い事かもね。」 蒼「怖いのは…嫌だよ。」 マ「確かに怖かもしれないけれど、楽しめるようなムード作りをしたいから。    明るいところでやるのもちょっと興醒めだからねえ。」 蒼「楽しむだなんて、それに遊びでだなんt…」   カセットを挿し込み、スイッチを入れ、テレビをつける。   辺りに透き通った感じはするが、どこか寂しげで怖気だつような音楽が流れ出す。 蒼「これは?」 マ「選択肢で物語の展開が変化するサウンドノベルというジャンルのゲームだよ。    結構好きなシリーズなんだけど、この夏最新作が出るらしいから今のうちに旧作をやっておこうと思ってね。」 蒼「さっきムードがどうこうって…。」 マ「雪山での殺人事件がテーマだから、なんとなくこうした方が雰囲気が出るでしょ。」 蒼「マスターって…、悪趣味だよね。いつもそうやってボクをからかって…。」 マ「まあホラーみたくグロッちくはないと思うからさ、お付き合いしてよ。」   そんなことを言いつつ自分は主人公の名前の入力を済ませる。   普段はデフォルトの名前があれば、それを使うが今回は本名にしてみた。   このゲームでの本名プレイは微妙だが、やはり相手がいるならやってみたい気もする。   そして『彼女』の名前を入力する画面に変わる。 マ「『彼女』役に蒼星石の名前借りていいかな?」 蒼「別に構わないけれど、主人公とこの人って…。」 マ「友達以上恋人未満、ってやつかな。まあ定番の関係だよね。」 蒼「恋人…未満か…。」 マ「ありゃ、『蒼』がない。じゃあ、『瑠璃』…も無理か。ひらがなで『そうせいせき』なら…かろうじて入るな。    それとも『そう』の方がいい?」 蒼「…別に、どっちでもいいよ。」   心なしかさっきから蒼星石がつまらなそうにしている気がする。   なんとか元気付けたいものだが…。 マ「せっかくだから蒼星石がやってみる?」   少しは気が紛れるかと思い、そう提案する。 蒼「え、ボクが?」 マ「全部は見てないけれど、犯人とかトリックとかを含めてある程度知っちゃってるからさ。    むしろ蒼星石がやってるのを見た方が展開が読めなくて面白そうだし。」 蒼「そうなの?分かった、じゃあやってみるね。どう進めていけばいいのかな?」 マ「基本はこのボタンで文章を読み進めて、時々選択肢が出るからそのときは上下に移動させてボタンで決定。    あとは選んだ内容に応じてその後の話の進み方が変わるから。」   そんなこんなで結局ヒロインの名前は『そうせいせき』にして一回目のプレイが始まった。   今はまだ最初のうちの和やかな旅行の場面だ。まだあの惨劇の影は見えず、『僕』と『そうせいせき』も楽しそうだ。   蒼星石もそんな様子を見てまるで我が事のように顔をほころばせている。   ……今度二人で旅行にでも行こうか。そうしたらもっと素敵な笑顔を見せてくれるのではないだろうか。なんとなくそんな気がした。   さて、ゲームの中ではそんな楽しいスキーも終わり迎え、『二人』がペンションに戻ってくる。   今はまだ平和なペンションももうじき惨劇の舞台となってしまう。そう思うと蒼星石の笑顔が胸に痛い。   そう、もうじき死体が発見されてしまえば………   ………あ、社長のお誘いを受けて大阪に行ってしまった。誰も死ななかったけれど、『僕』と『そうせいせき』はお別れしてしまうエンドだ。   心なしか蒼星石がしょげている。『僕』が『そうせいせき』と結ばれなかったからだというのは自惚れだろうか?   何はともあれ気を取り直して再プレイ。        『こんや12じだれかがしぬ』   話は着々と進み、ついに恐怖が姿を見せ始めた。   バラバラ死体の発見、真実味を帯びだした脅迫文、ペンションに閉じ込められた宿泊客達…、さまざまな要素に彩られた恐怖が。   ……そして二回目のエンディングは見事に『僕』が犯人に殺されてしまった。まあ妥当な結果だろう。 蒼「マスターが…殺されちゃった。」   唖然としながら言う。 マ「まあ、そういうゲームだからね。気にしない、気にしない。」   その後は次第に生き延びて展開を進められるようになっていく。   それと同時に次々と発見される死体、死体、死体。   次第に蒼星石がこちらに体を寄せてくる。   ドラマなんかと違いシルエットである分、かえって自分がもっとも恐れる姿を重ねてしまっているのだろう。   まあ犯人が美樹本だと知っていればここまで殺されまくりはしないのだが、初プレイではこんなものだろうな。   犯人の見当が付かず、何回も何回も無残にも殺されてしまう。だからこそ犯人を捕らえたときの喜びもひとしおなのだろう。   …自分はネタバレしていたのでそんな感動は味わえなかったが。   まあ、蒼星石からそれを奪うこともあるまい。   その後も何度も何度も犯人の餌食になってしまう『僕』。あとその他の宿泊客。   『そうせいせき』も何度か殺されている。というか勘違いした『僕』が殺してしまったのもある。   はっきり言って非常に気まずくなった。思わず謝ってしまった僕を蒼星石は笑って許してくれたが。   いつの間にやら蒼星石は自分の横にぴったりと寄り添っている。   そのうち、いつもお茶をがぶがぶ飲むせいかトイレに行きたくなった。 マ「ごめん、ちょっとお手洗いに行ってくる。」 蒼「え、一人にしないで。」 マ「すぐ戻ってくるから、ね?」 蒼「……マスター、ボクもついていっていい?」 マ「えと、電気は点けててくれていいから。」 蒼「それでも怖いよ。自分が…ってのもあるけれど、なんかマスターが帰ってこないような気がして。」   我が家に殺人鬼が潜んでいるはずはないのだが、確かにこの手のものを体験したあとは物陰に何かが潜んでいるような、   そういった疑心暗鬼に襲われてしまうというのは自分も経験があるから良く分かる。   だが、そこでこちらの身を案じてくれるというのがいかにも蒼星石らしい。 マ「じゃあお願いするかな。」   二人で手をつないでお手洗いへ行く。当たり前だがこんな事をするのは初めてなのでなんか新鮮だ。 マ「お待たせ。」   不安そうにしながら待っていた蒼星石が話しかけてきた。 蒼「マスター、ボクの事うっとうしいって思ってない?」 マ「まさか!僕も昔あれを初めてやった時はしばらく暗いところとかが怖かったし、    それにこうして二人で引っ付いていられると無性に嬉しいし、全然煩わしくなんかないよ。」 蒼「そ、そう?ボクもそうなんだ。マスターと一緒で嬉しいな…。」 マ「結局のところ似たもの同士なんだろうね、あはは。」 蒼「そうかもね、へへっ。」 マ「ただ、蒼星石はもっと素直になってくれてもいいかな。」 蒼「ボク…マスターに対してそんなに反抗的だったかな?」   蒼星石はしゅんとしてしまう。 マ「そうじゃなくって、自分に対して素直にね。今みたいにこちらの事をいつも気遣ってくれるのはとっても嬉しいんだけれど、    蒼星石にも蒼星石がしたいようにして欲しい。変にこっちの迷惑を気にして我慢しないで欲しいんだ。    たぶんそうやってお互いが自分に素直になれた方が、お互いにもっと幸せだと思うんだ。    だから今みたいに心細い事があったりしたら、気兼ねなく僕に伝えて欲しい。出来る限りのことはするから。」 蒼「うん…、じゃあボクも出来る限りやるから何かあったら気にせずに言ってね、約束だよ!」 マ「ああ、約束ね。」 マ「どうする?続きやる?」   就寝時間にはまだ少しあるが蒼星石はもう嫌かもしれない。 蒼「うん、もう少しやるけど。……ねえマスター、膝に乗せて?」 マ「え!?ああ、いいよ。」   という事で意外にも早速甘えてきてくれた蒼星石を膝の上にちょこんと乗っけてプレイ再開。   怖いシーンがあったりすると、不安げにこちらの顔をチラチラ見てくるのがなんか可愛くてたまらない。   その後も死ぬ、死ぬ。未だ犯人に皆目見当が付かないといった感じだ。   そのうち成り行きに不穏なものを覚える。   この展開は、確か………。   『あなたがみんなを殺したのね!!』        ザクゥッ!   あー、やっぱり『僕』が『そうせいせき』に殺された。 蒼「マ、マスターがぁぁ!」   いきなりの悲鳴にこっちが驚いてしまう。 蒼「マスターごめんなさい、ごめんなさい。」 マ「あー、ゲームなんだから気にしないの。」   くんくんを見ている時もそうだけれど、蒼星石は話への集中力がすごい。すなわち感情移入もすごい。   ショッキングなシ-ンではあるが、何もそこまで、と言いたくなる程に蒼星石は動揺している。   今まで頑張って恐怖を抑えていたところにダメ押しとなってしまったのだろう。 マ「さっきは『僕』が『そうせいせき』を殺しちゃったし、これでおあいこでいいじゃん。」   すっごく嫌なおあいこではあるが、とりあえずそう言ってなだめる。 マ「じゃあ今日はもう止めて寝よっか。」   時間も遅くなってきたのでゲームを打ち切って寝ることを提案する。   結局犯人にはたどり着けなかったが、もともと一晩で終わるような分量ではないので気にしない。 蒼「マスター、今日は一緒に…。」 マ「ああ、一緒に寝てくれないかな?」   二人で布団に入り、蒼星石に腕枕をする。   蒼星石はこちらを向いてはいるが、何かを考えるように黙っている。   どれほど時間が経ったところでか…  A.[[僕は蒼星石に話しかけることにした]]。  B.[[蒼星石がこちらに話しかけてきた]]。  C.[[いきなり蒼星石が僕を……!]]  C'.[[いきなり蒼星石が僕を……!!]](※グロ注意)

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