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赤ワイン」の最新版変更点

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 「えーと、麦茶麦茶」
 夏の暑さで火照った体を潤すのは冷たい麦茶という信念を持つ男、俺。
 それを求めて台所の冷蔵庫を開くと、俺がこだわりを持って作った麦茶と買い置きのブドウジュースが納まっている。
 ジュースには目もくれずに麦茶をとりだしてがぶ飲みしていると、ふと棚に置いてある赤ワインが目に入った。
 棚の中が綺麗に整頓されているから、蒼星石が昼間の内に中を整理したのだろう。
-・・・
+ ・・・
 冷蔵庫にはブドウジュース、棚には赤ワイン。俺はちょっとしたいたずらを思いついた。
 
 
 夜。
 夕飯の支度も終った頃を見計らって、俺は計画を実行した。
 「? マスター、今日は麦茶じゃないの?」
 今日に限って食卓上にそびえたつワインボトル。まあ、ここんとこ麦茶しか飲まなかったから、蒼星石が不思議に思うのも仕方ない。
 「いやなに、さっき偶然目に入ったからな。軽く飲みたくなったんだよ」
 そういいながらコルクを開けた。ほんのりワインの良い香りがする。
 「たまにはいいと思うよ、でも飲みすぎには注意してね」
 やんわりと俺の体を気遣う蒼星石。やっぱり素で良い子だこの子。
 でもそれとこれとは話は別だ。
 「蒼、グラス持ってくるの忘れたから、取ってきてくれ」
 「わかった、ちょっと待ってて」
 と言って蒼星石が食卓を離れた隙に俺は蒼星石のコップにワインを注ぎ込み、椅子の下に置いていたブドウジュースのパックを素早く食卓に置いた。
 「はいマスター。これでいいよね・・・ってあれ?」
 何時の間にか自分のコップに注がれた紅い液体に気づいたようだ。
 「蒼はお酒に弱いから、ブドウジュースで我慢してくれ」
 多少無理矢理なこじつけだが・・・
 「あ・・ありがとうマスター。えへへ・・」
 と、それを飲む気になってくれる蒼星石。よし、ここまでは順調だ。自分の分を注ぎながら俺は満足げだった。
 俺はグラスを持ってチンと蒼星石のコップに当ててそのままグラスを口に運ぶ。
 お、これは中々上等な味ジャマイカ。
 そして蒼星石のコップがその口に・・・
 『こくこく・・うわっ!これワインじゃないか!もう、マスターのいじわる・・』
 ハハハ、こやつめ、照れておるわ。
 ハハハハハ・・ハ?
 予想に反して蒼星石はゴクゴクと喉を鳴らしてワインを飲んでいる。
 量は俺のより多めなはずなのに、注がれたワインはすべて蒼星石のお腹に納まった。
 「ぷはあ・・おいしい・・、ねえマスター、もっとおかわり・・ちょうだい?」
 気づいてないのか?俺はまたコップにワインを注いで・・ってアッー!!蒼星石の前で注いだら意味ないじゃないか!
 完ッ璧にばれただろう。おそるおそる俺は蒼星石の顔を見・・・ん?
 蒼星石は俺には目もくれず、またワインを一気飲みする。
 「あの・・蒼、星石さん?」
 「ふう、おいしいねこのジュース。マスター、早くご飯食べないと冷めちゃうよ?」
 どうみてもシラフの蒼星石です本当に(ry いや単に気づいてないだけか、やっぱり。
 あぁ、今回は失敗か・・
 
 
 
 互いにオカズのレバニラも食い終わったし、そろそろ後片付けでもしよう。
 「さ、ちゃちゃっと片付け終わらせてしまおうか」
-・・・
-・・返事がない?
+ ・・・
+ ・・返事がない?
 振り返ると、蒼星石はじっと座ったままだ。
 顔を覗きこむと、頬が朱色に染まっている。目も虚ろな感じだ。
 むう、ここにきて酒が回ってきたのか?
 俺は食器の片付けをやめ、とりあえず蒼星石をソファーにでも横にさせようと抱っこした。
 あ、いつもより熱い。
 「ますたぁ・・」
 腕の中で蒼星石が呟く。なんだか急に罪悪感が芽生えてきた。
 「ごめんな、蒼。悪ふざけしt」
 「ずるいなぁ、マスターは」
 え?
 蒼星石の体が薄く光輝きだし、同時に指輪が熱を帯びてきた。
 体の力がガクンと抜け、俺は膝をつき、その場に臥した。
 「いつもいつも僕はマスターに振り回されてばかりで・・ずるいよ」
 腕から出て俺を見下ろす蒼星石。心なしか目が据わってる。
 酔いか!酔いの力でか!
 「だから、今日は・・僕の番だよ。マスター」
 俺の顔に自分の顔を近づけると、蒼星石はそのまま俺にキスをしてきた。
 容赦なく舌を入れてくる蒼星石。
 もう余力がない俺は、されるがままになっていた。
 「ふふ・・マスターは可愛いね・・」
 蒼星石は妖しい目つきで俺を見つめながら、服を脱いでいく。
 「なんだか僕も体が火照ってきちゃったなぁ・・」
 
 
 
 
 チュチュン・・・チュンチュン
 次の日の早朝。
 「ふわあああああ・・・よく寝たぁ・・」
 蒼星石はゆっくりと体を起こすと、そこは居間だと気づいた。
 「あれ?僕・・・確か・・あれ?」
 食卓は片付けもされずに放置されている。電気もつきっぱなしで、テレビも点いたままだった。
 「いけない、片付けないと」
 ぐに。
 蒼星石の足が何かを踏んだ。下を見ると、
 でかい干物が横たわっていた。
 「あっ・・!マ、マスター!どうしたの?!ああ、こんなになって・・」
 乾物はゆっくりと蒼星石の顔を見上げ、
 「す、すいませんでした・・・」
 と呟いて、気絶した。
 その様を見て、蒼星石はにやりと笑みを浮かべると、無言で朝の支度を始めた。
 
 END