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第4ドール蒼星石の退屈(1)」(2006/06/03 (土) 00:34:51) の最新版変更点

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※団体名・学校名・個人名などはすべてフィクションであり現実のものとは異なりますので  ご注意。  俺は県内の公立高校に一ヶ月前に入学したばかりのごく普通の高校生だ。ここまでは本当にごくごく 普通である。そろそろ高校生にしてはおかしいことを話すとする。  俺には親が居ない。理由は聞かないで欲しい。つまり一人暮らしということだ。珍しいだろ。  次にもっと珍しい・・・いや、世界に俺1人かもしれない。同居者が居るのだ。それも兄弟ではなく 異性。さらにただ普通の異性の同居者ではない。彼女はとある人形師に造られたローゼンメイデン第4 ドール、名前を蒼星石と言う。要約すると生きている人形と同居している。蒼星石は家事も完璧にこなして くれ、俺が学校に行っている間も留守番までしてもらっている。おかげで親の居ない俺には大助かりだったし なにより俺の孤独感を癒してくれた。おかげで今の俺が居ると言っても過言ではないだろう。  しかし俺は蒼星石の退屈を悟ることができなかったのが悔やまれる。  6月1日。5月病の射程圏内から逃れた俺はいつもとかわらない道を通り学校を目指す。大通りに出ると 高校に入ってから友達になった奴と中学時代から友達だった奴と出会う。あえて紹介する必要もないだろう。 あ、でも名前出したほうが判別に役立つだろうから一応紹介しておこうか。  まず中学時代の親友と呼べるような存在が山田。至って普通の男子といえる。もう一方の高校に入ってから 仲良くなったのは重松。顔立ちはいいが低脳。そしてハーレム。 「なあ、マスター。こんど来る転校生、知ってるか?」 重松が聞いてくる。ちなみにマスターというのは俺のあだ名だ。なぜこんなあだ名がついたかは知らない。 「転校生?この季節に来るなんて親父の急な転勤なんだろうな。」 俺は適当に答える。 「珍しいよね。こういう転校生は謎っぽい感じがするけど。」 「それはない。」 俺と重松は声をそろえて山田を否定した。  朝のホームルームが始まる。おそらくほぼクラス全員が転校生が来ると言う事を知っているのだろう。 みんなワクワクテカテカといった様子だ。そして担任が転校生の紹介をする、という旨の話を切り出すとクラス一同が わっと沸く。 「ようし、紹介する。今日からみんなのメンバーに新しく加わることになった・・・」 意識していないのに俺の心臓がバクバクと唸る。なぜなら俺の隣の席はこれまた急な転校で去っていった生徒 が座っていた席がある。つまり今は開いているため新しい転校生がこの席に座ることになる。 「蒼星石さんだ、拍手ーっ!」 今、先生は何と?聞き間違いだろう、と俺は前を見つめる。そこには黒いセーラー服を身に纏ったまぎれもない 蒼星石が居た。理解の許容範囲を遥かに超える出来事に俺はパニックに陥る。 「よし、ちょうどマスターの隣が空いてるな。」 先生までもが俺をマスターと呼ぶか。そんなくだらないことを考えているうちに蒼星石がトテトテと歩いて人間サイズ のイスにちょこんと座る。そして俺の方を向くやいなや 「よろしく」 とあたかもはじめてあったかのように接する。これはこれでいいな、と俺は内心に納得した。 「ふもっふ!?」 俺はなんとも情けない声をあげて起床した。時計を手にとり針を読み取る。10時30分。 「うーん。なんかいい夢を見てた気がするな・・・。まぁいいか。」 俺がそうこう考えると蒼星石が朝ご飯の準備が完了したことを告げにやってきた。 こうして俺の1日が始まる。

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