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男「ただいまー」 蒼「おかえりなさいマスター」 蒼(失礼だとは思うけれど・・・気になるし・・・ええい!聞いちゃえ!) 蒼「ね・・・ねえマスター」 男「ん?なんだい?」 蒼「その・・・マスターは今日・・・あの・・・その・・・」 男「お、おいおいどうした。なんかあったのかい?」 蒼「・・・った・・・かな・・・?」 男「すまん、よく聞こえなかった」 蒼「・・・誰かからチョコ貰った?」 男「え?」 蒼「だーかーらー・・・その・・・女の人からチョコ貰ったり・・・とか・・・してるよね・・・」 男「うっ・・・痛いとこ付くな・・・ま、まあ一個な」 蒼(やっぱり貰ってるよね・・・僕があげるまでもないよね・・・あはは・・・はぁ・・・) 蒼星石はできるだけ笑顔でいようとする。ドールとしてそれが自分のとるべき行動として。 しかしそこは女の子。大好きなマスターに想いを寄せている人がいる。人間の。 もしその彼女がマスターである男と結ばれたら・・・ そんなことが一気に頭をよぎる。 蒼「っ!」 男「ちょ、ちょっと蒼星石!待ってくれ!」 蒼星石は鞄で飛び出していってしまった。 男「・・・なにを勘違いされたかな・・・」 男「とりあえず蒼を探して誤解をとかねばならん・・・」 男はそう思い蒼星石の行きそうなところを思い浮かべる。となるとまず第一にジュン君の家だろう。 あそこには双子である翠星石がいる。 そう思った矢先、電話が鳴り響く 男「はい」 翠「なにが【はい】ですか!!いますぐジュンの家に来るです!!」 男「お、おう」 男はジュンの家に着く。チャイムをならすと同時に翠星石に引っ張られ、二階ににあるジュンの部屋に連れて行かれた。 そこには真紅に泣きついている蒼星石、それを慰める雛苺と金糸雀、おばかさぁんとでも言いたそうな薄ら笑いの水銀燈、ボーっとしておりさほど空気の雪華綺晶、本家ドールに囲まれて居心地悪そうな薔薇水晶....とすべての姉妹がそろっている。 のりは帰ってきておらず、ジュンはどこか同情するようにこっちをみている。 男(よくまああんな短時間でこれだけ集めたこと...) 翠「なにボケっと突っ立ってやがるですか!さっさとそこに座れです!」 そういって翠星石は男をドール達の前に放り出す。 翠「そこへ座るです!」 男「はい・・・」 男は正座する。 部屋は静まりかえっているせいか蒼星石のぐずる声と水銀燈のクスクスと笑う声が耳に入る 翠「なんで呼ばれたかはわかってるですよね?」 男「はい・・・(まずい・・・目が据わってるよ・・・)」 蒼「グスッ...グスッ...」 真「大丈夫よ蒼星石」 雛「うゆぅ~・・・蒼星石かわいそうなのぉ」 金「マスターさんちょっとひどいかしら」 男「すまない。だが蒼星石、君は誤解しているんだ」 蒼「グスッ・・・ご・・・ヒック・・・誤解・・・ウッ・・・ウッ・・・いいよ・・・無理しなくて・・・」 ジュ「まあ落ち着けって。男さんの意見を聞いてやれよ。」 蒼星石はぐずりながらうなずく。 男「俺は確かにチョコはもらったさ」 雪「チョコ・・・チョコ甘い・・・食べたい・・・食べていい?」 薔「甘い・・・甘いは美味しい・・・食べる」 銀「ちょっと黙ってなさぁい。蒼星石のミーディアムの哀れな姿を楽しんでからにしなさぁい♪」 雪「はい・・・お姉さま・・・」 薔「お父様の分・・・まだ作ってない・・・楽しんだら作る・・・手伝って・・・」 銀「わかったわぁ」 蒼「ヒック・・・ほら・・・もらったんだよね・・・ウッ・・・」 蒼星石の目がさらに潤んでいく 翠「そ、蒼星石落ち着くですよ!」 ガバッ 一同「!」 男は蒼星石に抱きつく。 男「すまない、誤解させてしまって。そこは謝らせてくれ。しかし俺が貰ったチョコは・・・だな・・・」 水銀燈はニヤニヤし、雪華綺晶と薔薇水晶はボーっとしている。その他は静かに耳を傾ける。 男「言いにくいが・・・その・・・妹からなんだよ・・・」 その言葉を聞き涙目の蒼星石は口を半開きのままポカーンとしている。 水銀燈はケラケラ笑っている。 蒼「・・・妹さん・・・って言うのは・・・マスターの兄妹の女のほうの・・・」 蒼星石は状況が飲み込めていない様子で男の目を見ながら口をパクパクさせている。 男「そ。兄妹の女のほうからさ。」 男は苦笑いする。 翠「蒼星石・・・」 ジュ「なんだよ、人騒がせなやつだな」 金「とんだはやとちりかしら!」 蒼「うっ!うるさいっ!///」 蒼星石は頬を赤らめる 真「まったく・・・本当に人騒がせな姉ね。けれど・・・」 真「それだけあなたにとってこの人間は重要なようね。ミーディアムとして、また別の意味でも・・・かしらね」 雛「蒼星石はマスターさんのこと大好きなのよねっ」 蒼「///」 蒼星石はよっぽど恥ずかしかったのか男に顔を埋める。 銀「アハハハハ♪これは傑作だわぁ♪」 翠「やめるです水銀燈!」 銀「いやぁねムキになちゃって」 翠「このっ!」 真「やめなさい二人とも。そんなことより翠星石、チョコの作り方を伝授してほしいのだわ」 翠「そんなの後でいいですよ!」 真(まったく・・・) 真「蒼星石がチョコわたすために二人にするべきなのだわ」 ヒソヒソ・・・ 翠「!」 水「いやな感じねぇ」 翠「水銀燈」 水「なによぅ」 翠「この続きはチョコ作ってからにするです。ほら、教えてやるからついてこいですぅ」 水「まあいいわぁ。ほら、あなた達も来なさぁい」 雪「チョコ・・・食べれる・・・?」 雛「雛もチョコ食べたいの~!」 薔「お父様に作る・・・教えて・・・」 金「カナはみっちゃんから教えてもらったからべつに興味ないかしら・・・」 翠「空気読めです!蒼星石と人間を二人きりにするのですよ!」 ヒソヒソ・・・ 金「はっ!翠星石なかなか策士かしら」 ヒソヒソ・・・ 真「ジュン、何してるの。あなたも早く来なさい」 ジュ「あ、ああ」  バタン 男「・・・」 蒼「・・・」 男「二人になっちゃったね・・・」 蒼「うん・・・」 男「ごめんな・・・誤解させちゃって」 蒼「ううん!マスターは悪くないよ!僕が悪いんだ!」 男「いやしかし・・・」 蒼「僕はいつもマスターに迷惑ばかりかけてる・・・今日だって・・・なのにマスターはいつも許してくれて・・・」 蒼「ごめんね・・・本当は僕のこと嫌いだよね・・・でも僕は・・・僕は・・・」 蒼星石はまたぐずりだす。 蒼「ウッ・・・ウッ・・・ますたぁー・・・ごめんなさい・・・グスッ」 男は蒼星石を座ったまま抱きかかえ頭を撫でる。 蒼「グズッ・・・ますたぁー・・・」 男「残念だがな蒼星石。君は間違っている」 蒼「・・・え・・・?」 男「俺が蒼星石のことを嫌っているということは残念だがないんだよ」 蒼「・・・」 男「だって俺は蒼星石のことが好きなんだもん。こんなにきれいで優しくてちょっとドジッ子な蒼星石が好きなんだよ」 蒼「・・・マスター」 男「だからさ、これからも迷惑とかもっといっぱい甘えてきてくれよ」 男「へんに気を使ったりしないでくれたほうがうれしいよ」 蒼「でも・・・」 男「これは俺からのお願いさ」 蒼「・・・えへへ///」 男「どう?落ち着いた?」 蒼「うん!マスターありがとね」 男「いやいや」 蒼「でも・・・もう少しこのままでいさせてもらってもいいかな///」 男「もちろんさ」 蒼「あっ!」 男「ん?」 蒼星石はポケットから小さなかわいらしい包みを取り出す 蒼「はい、マスター。チョコだよ///」 男「おっ!ありがとう」 蒼「へへ///」 男「これは家でゆっくり味わわせてもらおうかな」 蒼「でも、美味しいかわかんないよ?」 男「ほほう、ならお手並み拝見といこうか」 男はちょっと意地悪そうに言う。 蒼「もう!いじわる!」 男「うそうそごめんって!」 蒼「ふふ♪さ、マスター帰ろう」 男「ああ」 男は蒼星石を抱きかかえたまま立ち上がりドアに手をかける。 ドアの向こうでは声が聞こえる 真紅・・・あなたって結構腹黒いわよねぇ・・・ そんなことないのだわ!水銀燈、あなただって盗み聞きに反対しなかったじゃない くっ・・・まあいいわぁ・・・ チョコ・・・食べれないの・・・? うるさいですぅ・・・よく聞こえんですよ・・・ チョコレート・・・甘い甘い・・・イチゴは甘い・・・? うゆっ!ヒ、ヒナは美味しくないのぉ~! ああ、早くしないとお父様が待ってるのに・・・ 後で手伝ってやるですよ!ちいと黙ってろですぅ! 男「・・・」 蒼「ふう・・・」 がちゃ 一同「げっ!」 蒼「こらぁ~!!」 金「逃げるが勝ちかしら!」 水「真紅!全部あなたのせいよ!」 真「まぁ水銀燈!言ってくれるわね!」 翠「すっ、翠星石はかわいいかわいい妹の行く末を・・・」 雛「そ、そうなの!そうなの!そこでキスするはずですけど、姉としてはやっぱり・・・とか心配してたのー!」 雪「食べれないの・・・?」 薔「おとうさま・・・」 ジュ「ぼ、僕は関係ないぞ!」 その後みんな蒼星石に追い回された後、薔薇水晶のチョコつくりを手伝った。 家にて 男「おっ!うめえぞこのチョコ!」 蒼「本当!?」 男「ああ、ありがとう」 蒼「あの・・・マスターのために作ったんだよ・・・///」 男「なんか食べちゃうのがもったいないくらい旨い!俺専用なんてもったいなすぎる!!」 蒼「よかった、喜んでもらえて。その・・・本命チョコなんだからね///」 男「へへへ///じゃあホワイトデーは蒼星石っていう彼女のためにクッキー作らなきゃなっ///」 蒼「もうっ///」 おわり

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