マ「蒼星石お帰りなさい。」 蒼「あ、マスター今日は早かったんだ。分かってればちゃんともっと早くに帰ってたのに・・・。 今すぐお夕飯の支度するから待っててね。」 マ「手伝うよ。」 蒼「いいよ、お夕飯までゆっくり休んでいてよ。」 マ「いや、今日はぜひ手伝わせて欲しいんだ。」 蒼「そう?そこまで言うのなら、お願いしようかな。」 蒼「それじゃあ、いただこうか。」 マ「いただきます・・・。」 蒼「どうしたのマスター、なんか元気ないよ?」 マ「大丈夫だよ、それより今日もジュン君のお宅に行ってきたの?」 蒼「うん、そうだよ。早めに帰ろうとは思ったんだけど翠星石が・・・」 マ「二人は仲良しの双子だからね。それに・・・他の姉妹たちもいるもんね。」 蒼「うん、ああやって姉妹で仲良くしていられるのは幸せだと思う。」 マ「ところでさ、蒼星石・・・」 蒼「何?」 しばらくためらった後、今日の本題に入る。 マ「僕と契約していて幸せ?」 蒼「え?もちろんだよ。」 マ「でも、ジュン君・・・負担が大きいならお姉さんのノリちゃんと契約した方が良いんじゃないの? そうすれば、翠星石とも、他の姉妹とももっと一緒にいられる・・・。」 以前、蒼星石がたびたびお邪魔しているお礼に桜田家へ挨拶に赴いたことがある。 その時、本来は翠星石と蒼星石がマスターを共にするということも、 今回のように別々のマスターを持つようになったのが成り行きであるということも聞いた。 他のドールたちといる時の様子はほとんど知らないが、時たま翠星石が来た時の様子から推察はできる ・・・きっと、その方が蒼星石にとって幸福なんだ。 蒼「・・・ふうん、確かに。でもそれでマスターは平気なの?」 マ「多分、平気だと思うよ。元の状態に戻るだけだもの。」 そう、束の間の楽しい夢を見ていただけ。元の寂しい状態に戻っても、それが本来なんだ。 お互いに本来の状態に戻る、それでいいんだ。 蒼「そっか・・・。分かったよ、マスター。」 マ「うん、今まで本当にありがとう。いろいろと助かったし、・・とても・・楽しかったよ。」 蒼「一体何を言っているのかなあ、マスター?」 蒼星石がいたずらっぽい笑みを浮かべる。 マ「え、だって今分かったって?」 蒼「分かったのは、やはりあなたと僕は似ているんだって事と・・・、 そういう人には僕がずっとそばについていてあげないと駄目だってことだよ。」 マ「え、ずっとって・・?」 蒼「僕がいたら迷惑なのかな?」 マ「そんなことない!本当は・・・ずっとずっと自分のそばにいて欲しかった、片時だって離れたくなかった。」 蒼「うふふ、やっぱりそうだったんだね。」 マ「こりゃまいったね、何でもお見通しか。」 蒼「だって・・・」 マ「だって?」 蒼(だって、あなたと僕は本当に良く似ているんだもの・・・。)