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俺と蒼星石と雷 - (2006/05/25 (木) 22:04:56) のソース

(すごい雨だな・・・)
朝からぽつぽつと降り続いていた雨は、授業の間に豪雨に変わっていた。
通り雨だろう。
ぼーっと窓の外を眺めていると、突然空が光った。
「うっ」
目を細めた直後、校舎の外に轟音が鳴り響いた。
雷である。
教室の中も少し騒がしくなる。
結構近いな、嫌だ怖い等の声が飛び交う中、家で一人で留守番をしている蒼星石の事が気になった。
確かあいつは雷が苦手だったはずだ。大丈夫だろうか。
そう思っていた矢先、ポケットに入っている携帯が震えた。
こっそりと携帯を出し、発信元を確認する。
自宅。言うまでもなかった。
「先生、トイレ行ってきていいですか?」


トイレの個室の鍵をかけ、震え続ける携帯を取った。
「マスター!」
慌てた声だった。
「雷が怖くて・・・マスターの声が聞きたくて・・・」
その声はだんだんと弱くなる。
「マスターは学校で授業中なのに・・・ごめんなさい、わがまま言って」
「なんだ、そんなことか」
俺は少し安心した。
「別にそんなことは気にしないよ。俺はいつでもお前のためなら授業くらい放り出してくるさ」
「マスター・・・」
「それに、今家にいるのはお前だけだ。俺がいない間、しっかり留守番してくれないと」
受話器の向こうで、蒼星石はうんうんと頷いていた。
「・・・うん、そうだね。ありがとうマスター!」
蒼星石はすっかり元気を取り戻したようだ。
「じゃあ俺はそろそろ授業に戻るよ。今日は早く帰れるようにがんばってみる」
「うん、ありがとう!がんばってねマスター!」
さて、留守番をがんばる蒼星石のために俺ももう少し頑張りますか。