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  思うところがある。
  何故、自分はこの場所にやって来たのかということだ。
  物事には全て因果があるという。一見無意味に、あるいは偶然に思えることであれ、其処には何かしらの意味があり、その意味が見えぬところで複雑に絡み合うことで理由と結果を結び付け、必然としてこの世界を形作っているのだと。……師の教えだ。このことを端的に言い表した言葉には(かなり極端化されてはいるが)、風が吹けば桶屋が儲かるというものもある。
  恐らく師がこの言を通して言いたかったことは、常に己を問え、ということなのだろう。しかし今は、敢えてこの言葉そのものについて考えを巡らそうと思う。
  この言に従うならば、己がこの街にやってきたことも、何かしらの意味があるはずだ。
  無意識に己が望んだことなのか、己の持つ何らかの要素が鍵となったのか、あるいはそれこそ目に見えぬ『何か』に呼ばれたのか、それは神ならぬ我が身に知る術は無い。
  だが、少なくとも、その答えを見つけるまでは、此処に居ようと思う。それは一生を費やしても見つからぬことかもしれないし、明日にでも見つかってしまうことかもしれない。しかし、元々己は浮き草の如く世を漂うだけの道化。そのような俗物の寄り道としては上等な部類だろう。

  戯れを友とする身なれど、せめて一片の真実を残さんと志せば、己への約定として此処にそれを記す。


   記すべき名は無し、故に無名


カテゴリ: [手記] - &trackback() - 2006年05月01日 15:35:26
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最終更新:2006年05月01日 15:50