ラリー・グラハム



1946年8月14日生まれ。

ご存知スラップとかチョッパーといった奏法の元祖といえば
だいたい真っ先に名前があがるベーシストの一人がこの人。

歌手としてもけっこう有名で
結構な難易度のベースプレイをこなしながらも、それと同時に余裕で歌いまくる。

親指がものすごく反る。

元々は母親と組んでたバンドで
ギターを指引きで弾いていたのだが、バンドからドラムが抜けたりなんだした結果
それを補うためにとりあえずでベースをはじめる。
その際、ドラムのバスとスネアをベースで再現するといういかした発想により
スラップ奏法は生まれたと本人は語る。
(ちなみにラリー自身はこの奏法を「サムピング&プラッキング」と呼ぶ。)

その後、ライブに来ていたファンの縁でスライ&ファミリー・ストーンにベーシストとして加入。
このバンドで"Thank You"や"Everybody People"、"Dance to the music"などの数々のヒット曲に参加。
その結果として、スラップによるベースサウンドは一躍メジャーなものとなった。
(もちろん映像の少ない当時、奏法についてはしばらくのあいだ謎のままだったけど。)

なお、後述するようにラリーはエフェクターを演奏に取り入れているが、そのアイディアは
すでにこのころにははじめていたようである。("Thank You"のディストーションがそうらしい。)

その後、スライ&ファミリーストーンはバンドリーダーのスライが薬物中毒におちいり不安定化
ラリーはスライにクビにされる形となり、バンドを脱退せざるをえなくなる。

その後、なんだかんだでプロデュースをまかされたバンドに結局自身が参加し
Graham Central Station (GCS) という新たなバンドを結成。
バンドのリーダーとなったことで、スライ&ファミリーストーン時代にはできなかったような
ベースによる数々のぶっとんだプレイを連発。
ベースサウンドを超えたギターのような音まで使った"Jam"や"Hair"や"Earthquake"
スラップ奏法の登竜門といえる"Pow"など
現在一般的に知られるスラップ奏法の基礎や、逆にベースの王道を外れたトリッキーなプレイの多くは
このGCS時期に多くが確立された。
ちなみに、このバンドにおいては基本的にラリーがヴォーカルを兼ねており
あの超絶なベースプレイと同時にリードヴォーカルまでこなす。まさに驚異的!!

しかし、80年代に入り電子音楽が勢いを得てくると一度はベースを肩から外し
なんとバラード歌手に転身。"
"One In A Million You"という曲がビッグヒットを飛ばす。
意外にも、アメリカではベースプレイヤーではなくバラード歌手としての知名度の方が高いらしい。
(とはいえ、上記の"One In A Million You"のベースサウンドはかなりラリーらしい音がする...)
なお、日本でもこの曲は大手のカラオケ機器に入っている程である。
ラリーの歌い方を練習できるぞ。


その後はご存知のとおり、ベースプレイヤーとして第一線に復帰し
スラップの元祖として活動している。
また、最近では自分のバンドGraham Central Stationを復活させてツアーしたり
プリンス(あるいはNew Power Generation)に頻繁にゲスト出演している。


2009年・2010年には、まさかの連続しての来日。
特に、2010年のGraham Central Station の再結成ツアーはCSでの放送もされた。

2012年にも来日。
1999年以来、13年ぶりのスタジオアルバムを携えての公演となり
特に東京での最終日には、スラップの聖典"Pow"を一部ながらも演奏してみせ
今なお衰えぬ演奏力を証明してみせた。

ベース


Moonから出ている自分のシグネチャーモデルを使用。
このモデルは4弦と5弦の二種類があるが、ライブで使うのは主に4弦の方。
5弦の方はスタジオなんかで使うらしい。
(ちなみに弦はGHSのミドルゲージだと自身のページで言っている)
ラリーはステージ用に3台の同ベースを用意しているらしく
製作時期が違うためにそれぞれヘッドの形やMoonのロゴがちがったりする。


ボディはアッシュ、指板とネックはメイプル。
ボルトオンネック。
PUはバルトリー二社の9S。
アクティブサーキットはバルトリーニ社のNTBT。

カラーはボディからネック、ヘッドにかけてすべて白で統一され
そこにゴールドのブリッジとペグ、コントロールノブという配色。
コントロールノブは一直線に4つというのがこだわりのようだ。

このベースの最大の特徴はボディに直接取り付けられたヴォーカル用のマイクで
これによってラリーはベースを自由にプレイしながら、同時に歌ったりMCをやったりできるのだ。
(もちろんムーンから出ているシグネチャーモデルには再現されていない。)
最初のマイクは自分で取り付け、後のモデルではMoonが担当しているらしいが
配線等々、一番厄介な箇所であったらしい(モデルによってはボディ裏に大きなザグリ後がある)。


踊ったり、ステージから時には客席まで動き回るため
ワイアレスシステム(ベース用とヴォーカル用で2つ)を使っている。


近年、Warwick社のキャンペーンやライブによく参加するせいか
Warwickがラリーモデルを作った。
一直線のコントロールノブにボルトオンネック
そしてヴォーカル用マイクと言うおなじみの使用。おそらくラリーの拘りなのだろう。
(そもそもシグネチャーモデルなのか、発売する予定があるのかは不明...)

エフェクター

非常にたくさんのエフェクターをつかう。
そもそも、彼がベースにエフェクターを使うという概念を持ち込んだ先駆者の一人のようだ。
また、そのエフェクターもギター用のエフェクターもそのまま使っているようで
その種類も、ざっと書くと、フェイザーにディストーション、オクターバー、ワウ、ファズフェイザーなどなど。
これらによって、まるでギターのディストーションサウンドのようで
かつベース独特の太さのある驚異的なベースサウンドを奏でる派手なプレイや
あるいは、ベースの音色自体にさまざまな味を加えると言う小技的な使い方まで
幅広い音を作り出している。

アンプ

近年はさまざまなアンプを試しているようで
2010年の来日時にはSWRを使用。
ヘッド側がSM-1500を2台、キャビネット側がBig BenとGOLIGHTでこれも2台づつ使用。
2012年にはWarwickを使用。
おそらくヘッド側がWA600S(WA300S ?)で2台、キャビネット側がWCA 115とWCA410。
しかし、どんなアンプを使っていてもラリーらしい音として出力されるところは流石と言うしかないと思う。

奏法

スラップの生みの親だけあって、当然スラップ主体の奏法。
(というか一般的な指引きはしないし、そういうポリシーで最初にベースをはじめたらしい。)

しかし、ラリーの場合はスラップといっても元々のドラムパートを補うという意味合が強く
また、踊れるような音を作るためか、「叩く・引っ張る」というよりも「引っ叩く・叩きつける」といった表現の方が近いかもしれない。
つまり、現在の感覚で言うスラップよりも遥かに強い力でサムピングとプルをおこなっている。
これによってよりアタック感の強い音になり、踊らずには居られないようなファンキーなサウンドを作り上げるのだ。
ちなみに、ラリー自身が語るところによればその秘訣とは「自分の幸福な気持ちを出力するように」とのことだ。とってもファンキー。

また、親指と人差し指を使ってピック弾きのような音をだすといった小技(通称"LGピック")も用いる。

Play from Video "Super Slapping Bass"

スラップの聖典Pow

Hair

2010年パリでのライブのソロ


One In A Million You


  • 歌って踊りながらスラップなんて神なんじゃなかろうかと思った時代が僕にもありました。 -- 名無しさん (2011-01-05 09:43:54)
  • 「ファンキー」って言葉を体現してるかっこいい兄貴 -- 名無しさん (2011-02-19 14:33:45)
  • 思ったより老けてないから素敵 -- 名無しさん (2011-03-03 23:06:34)
  • 日本にも技術に優れたベース弾きは沢山いるけど、この人やゲディ・リーみたいなブリブリの音圧ってなかなか居ないんだよな -- 名無しさん (2012-02-26 00:39:19)
  • ベースに限らず、『先人』ってのはやっぱり凄いね -- 名無しさん (2012-02-26 06:37:56)
  • ベースヒーロー!! -- 名無しさん (2012-03-30 03:09:22)
  • フュージョン系のテクニック重視スラップもいいけど、やっぱりこの人のような力強過ぎる「どファンク」なスラップがかっこいいな! -- 名無しさん (2012-04-21 09:08:52)
  • GHS期がなかったので追加。少し乱雑だけど....... -- 名無しさん (2012-04-22 00:26:09)
  • 重くて太いスラップはグラハムとマーカスの2人で極めちゃったね。それ以降のスラップスタイルはみんな軽くて細い。それはそれで魅力的ではあるが・・・ -- 名無しさん (2012-10-27 09:38:52)
  • 12/11/23ビルボードライブ東京観戦^^してきました。あいかわらずスゲー。かっちょいいおっさん(もう爺さんか..)でした。長生きしてかっこいい音楽を作り続けて欲しいですなあ。 -- ひげおやG (2012-11-26 14:57:13)
  • 御大が逝去なされたらベーマガとジャズライフどちらか1冊まるまる特集号を出すように。出なかったら2度と買ってやらん -- 名無しさん (2012-11-27 14:27:08)
  • いまさらですが2012年のツアーについて加えました。しかしページがデカくなりすぎかも...。 -- ※1 (2013-04-03 23:41:58)
  • なんでpowライブでやらないんでしょうね -- 名無しさん (2013-04-16 16:05:29)
  • マジ神。長生きしてほしい!!元祖は違うよな。 -- 名無しさん (2013-07-17 10:12:23)
  • Powは、東京公演の最終日の2ndでちょっとやってた。たぶん、ラリー本人でも歌とベースの両立が難しいからじゃないかと。 -- (2013-08-22 12:46:45)
  • うーん 今年で68歳か 長生きしてほしいなあ -- 名無しさん (2014-01-12 10:12:49)
  • YouTubeやニコニコ動画にPowのコピーは山ほど上がってるけど、どれも音の太さが御大の半分ほどしかない -- 名無しさん (2014-11-27 22:16:22)
  • Graham Central StationはGCSじゃなくてGHSなの?弦はGHSみたいだけど -- 名無しさん (2014-12-03 11:57:40)
  • 音から想像するにクッソ重いベース使ってそう -- 名無しさん (2015-01-26 04:34:19)
  • 弦とバンド名がごっちゃになってru修正しておいた。 -- 名無しさん (2015-02-01 08:46:26)
  • スラップに興味ない人には縁がないだろうな -- 名無しさん (2015-02-03 21:27:26)
  • この人のスラップが本物のスラップなのではないかな -- 名無しさん (2015-02-05 12:53:36)
  • 名前が似てますが、きゃりーぱみゅぱみゅとは関係ないんですか? -- 名無しさん (2015-05-09 02:26:30)
  • ファッションモンスターを重くて太いスラップしながら歌うのかな? -- 名無しさん (2015-05-22 17:12:07)
  • ファッションモンスターを歌いながらスラップするラリーグラハムとかかわい…くはないな -- 名無しさん (2015-10-15 15:47:02)
  • 過去に何度もベースの弦を引きちぎったことがありそう -- 名無しさん (2016-03-14 15:44:26)
  • どうやったらあんな音になるんだろうな。握力や奏法以外にも、楽器や弦、セッティングにもいろいろと秘訣がありそう -- ああ (2018-03-07 14:10:37)
  • 手がでかすぎるよなこの人。カポタスト要らず -- 名無しさん (2019-03-13 11:26:02)
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最終更新:2024年02月24日 14:04
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