【海鮮王国・済州を行く】
第1話)ウォシュレットの洗礼

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韓国・済州島の空港に降り立った僕は、島南部の港町・西帰浦(ソギッポ)に向かうリムジンバスに乗り込んだ。

 「次はHイアットリージェンシー前♪」

さすがリゾートのリムジンバスだ。国際級ホテルの立ち並ぶ中文(チュンムン)地区にさしかかると、韓・英・中・日の四ヵ国後でアナウンスが流れる。

しかしこのバス、Lッテホテルだの、Sーラホテルだの、点在する高級ホテルにことごとく止まるものだから、なかなか目指す西帰浦(ソギッポ)にたどり着けない。

西帰浦(ソギッポ)W杯スタジアム
バスは 中文(チュンムン)→ W杯スタジアム → 西帰浦(ソギッポ)と進む

その後W杯スタジアムを通過し、やっとのことで西帰浦(ソギッポ)のバス停に降りたつと、僕は予約してあった安ホテル「ハイキング・イン」を目指す。最近はこの手の格安宿でも大手検索サイトが提供する地図が場所を詳細に表示してくれる。迷うことはないだろう。

僕は出力しておいたマップを手にする。そして、あれれ…

  プリントアウトしておいた地図、全部ハングル表記じゃん!!

ネット予約した時に地図を出力して、ろくに確認もせずそのまま安心しきっていた。いざ現場で地図をひろげたら、地図も道や店の看板もハングルだらけ。辺りがオール新大久保状態でワケが分からない。これは困った。

 「ハイキング・インはどこですか?」

ともかく通りがかったおばちゃんに英語で聞いてみるが、向こうは英語がよくわからない。何やらハングルであっちだと言ってるようなので目指してみるが、本当かどうか疑わしい。

何よりこの西帰浦(ソギッポ)という街、やたら坂の多い街だ。地図上では大した距離に見えなくても、急坂を右往左往するのは御免こうむりたい。

西帰浦(ソギッポ)
西帰浦(ソギッポ)の街は、やたらと坂が多い

道路標識と地図のハングル文字を"形"で照合しつつ、道行く人に尋ねたりと、苦労して到着した宿は、結局最初のバス停のすぐ近くであった。

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中文(チュンムン)地区のハイカーストなリゾート客向けのホテルは平気で一泊2万円なんて値段を取るが、おいらの「ハイキング・イン」は2千円を切るフトコロ・フレンドリーなお値段。その代わり相応の古びたホテルだ。

ソギッポ ハイキング・イン
フトコロ・フレンドリーなお値段の「ハイキング・イン」

  ちゃんとお湯は出るのだろうか?

部屋に通されると、僕は安宿での常識、水周りチェックに取り掛かった。

  おやおや、この便器についてる器具はなんだろう?

水洗トイレの便座周りにある、取ってつけたようなチャチなシロモノが気にかかった。まさかこれは、ウォシュレット!!

僕は恐る恐るツマミらしきモノををひねってみた。するとチョロチョロ水が便器の下に流れる音がする。

  バカだなぁ、下に流れたってお尻は洗えないぞ、それでもウォシュレットのつもりなのか?

やはり備品も宿代相応なのだろう。まあ、こんなものかと思いつつ、検証のためさらに顔を近づけツマミをぎゅっと絞ってみる。

ソギッポ ハイキング・イン
驚きの簡易ウォシュレット

すると勢いを増した水圧でノズルの先が戦艦の大砲のように上を向いた。

  あら、これならお尻に命中するじゃん!!

と感動したその瞬間、噴出した水がオイラの顔にピュピュピュッー!! 旅の最初がウォシュレットの顔射攻撃だなんて、情けなさ過ぎる。

それでもウォシュレット付きの宿に泊まっているという事実が、オイラのカーストを一つ上に押し上げてくれた気がした。

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ウォシュレットの洗礼を受けた後、ちょっとした眺望が楽しめないかと、宿の屋上に上がってみる。5階までは普通に客室用の階段が通じているが、そこから屋上への階段はいかにも従業員向け感の漂う殺風景な作りであった。

  なんだ、職員の洗濯場でしかないのか、屋上は。

と、大した期待もせずにあがって驚いた。なんと屋上には小洒落たテーブルとベンチがしつらえてあり、インスタントではあるがコーヒー飲み放題になっている。

ソギッポ ハイキング・イン
眺望だけは★★★★★

そして何より、西帰浦(ソギッポ)港を見下ろす素晴らしい眺望が付いていた。一泊2千円のこの宿で、この眺めだけは一泊2万円のホテルにひけを取らない。なんか一気にカーストが10倍に跳ね上がった気がしたゾ?

(続く)


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最終更新:2016年08月26日 22:24