【宮古島旅行記/年越しは宮古島で!!】
第6話)片道790円のタクシー代を往復790円にする方法
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宮古島に工芸村というのがあるそうだ。そこでは様々な島の工芸文化が体験できるというので、どんな感じなのか興味があった。
だが工芸村に行くバスはない。しかし地図上では中心街・平良から5~6km程度のように見えたので歩いていくことにした。スマホの地図アプリを立ち上げると、恐ろしく正確に自分の位置を地図上に表示する。これで道に迷うこともあるまい。
こうして初めは元気よく歩みを進めていたのだが、いくら地図アプリが正確だからといっても、市街地を抜けると心細くもなってくる。タクシーだって流していないだろう。宮古はタクシー初乗り430円と安いじゃん。あっタクシーが来た。使ってしまおう。
怠惰な心に負け、工芸村までタクってしまう。初乗りは安かったが、すぐメーターは回りだし工芸村までは790円。思っていたほど安くはなかった。
宮古島の熱帯植物園の中にある工芸村は、公園のなかにいくつか赤瓦の工房があり、織物教室、郷土料理講座、シーサー陶芸作り、宮古馬乗馬体験などが楽しめる。実際体験するには事前予約が必要だが、他の観光客が指導を受け、それなりのシーサーが作れたりする様は、見学するだけでも面白い。
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工芸村を一通り見学し平良の街に戻ることにした。だが、またタクシーを使うのも勿体ない。そうだ、こういうときはヒッチハイクだ。僕は地図をコピーした用紙のウラに、旅行時に常備している太マジックで「平良」と書き、見通しのよいカーブ道まで歩いた。そこで街中へ向かう車を待つ。成功すれば帰りのタクシー代はタダだ。
あっ、最初の車が来た。僕は「平良」と書かれた紙を掲げ、手を挙げる。しかし白い軽自動車は何事もなかったように目の前をスーと素通りしていく。まぁ1台目から成功するわけがない。
しばらくして2台目の車が来た。今度はどうだ。 あっ、止まった。2台目でヒッチハイク成功!! 運がよい。
「平良までかい、乗って行きな。」
こうして中年ご夫婦の車に乗せてもらうことができた。
「ホントは僕らこの先までなんだけど、平良なら5分くらい余計に走ればいいから、構わないよ。」
ありりゃ、余計に運転させてしまって申し訳ないなぁ。宮古人の親切に感謝。
「宮古島は橋が多いでしょう。池間、来間、来年は伊良部にも橋がかかるよ」
と、運転手のご主人は宮古の橋自慢を語りだす。確かに周辺離島との間に3本も橋がある島なんてそんなにあるものではない。
「宮古はなんでも賛成賛成。だから橋がかかるの。でも石垣は橋ないでしょう。石垣はなんでも反対反対。だから橋ないの。」
話は宮古島のライバル・石垣島に及ぶ。
「石垣はなんで反対反対なのですか?」
「あの島は色んな島から人が移り住んでるの。だからまとまらない。でも宮古は違うよ。」
と、宮古人の結束の強さを誇らしげに語る。
外の人間からは宮古島も石垣島も同じように見える。でもその内側は随分違うのだなぁ。宮古人の結束が堅いことは悪いことではない。だからといって橋がバンバンできてしまうのはいかがなものだろうか?
平成の大合併で宮古島は島全体で一つの宮古島市になった。その影響を受け、小学校の統廃合が進み、それに反対するメッセージが島の至るところで掲げられている。なんでも賛成の宮古島の島民ですら反対する学校統廃合。
巨大な橋にかけるお金があるのなら、橋に賛成せず、せめてそのビッグマネーの半分でも学校の運営維持にまわせなかったのだろうかと思ってしまうのだが、タクシー代はヒッチで半分にできても、橋は半分だけ作るわけには行かないのだった。
最終更新:2016年08月26日 22:14