【タイの真中辺りを行く】
第3話)ちょこっとミャンマー1日ツアー

《タイ旅行記|ターク|メーソット|スコータイ|ピサヌローク》

バンコクとタイの田舎街では、同じ国とは思えない程の格差がある。

何が違うのかと言えば、目に見えて分かりやすいのは乗物だ。今やスカイトレインなどモダンな高架電車が走るバンコクは、ワールドクラスの街と言えなくもない。が、ちょっと地方の街に行くと、日本でタクシーと呼ばれる乗物すらない。地方でタクシーと言えば、そう、あの三輪タクシー、トゥクトゥクのことだ。偶然訪れる事になったこのタークの街とて例外ではない。四輪のタクシーなんてどこにに走ってるの?

さて、ガイドブックでタークのことをじっくり調べてみると、ミャンマー国境から僅か80kmの街だった。「タイの真ん中辺りを行く」のが今回のテーマだったはずなのに、のっけから話が違っている。まあ、そんなのどうだっていいのだけど、、、それならちょこっとミャンマーを覗いてみるか!

普通ミャンマー入国にはビザが必要だが、この国境に限って対岸の街だけなら、その場でビザが発給されるという、、、

僕は、山道をおんぼろワゴンバスに揺られて国境に向かった。

ミャンマー国境に向かうタイのワゴンバス
ミャンマー国境に向かうタイのワゴンバス

意外なことにこの山道、曲がりくねってはいるが大変整備された広い道である。後で調べて分かったのだが、この道は国連が定めたアジアハイウェーのルート上の一部にあたる。なので整備が行き届いていたというわけか。(因みにアジアハイウェーが開通した暁には、ベトナムのハノイからトルコのイスタンブールまで陸路で繋がることになるというのだが、そんなもの完成するのはいつのことやら、、、)

そんなアジアハイウェーの超一部を1時間半程走って、ミャンマー国境の街・メーソットのバスターミナルに着いた。バンコクとタークの間にも格差を感じたが、このメーソットはさらにいっそう田舎度ランクが高い。なにせこの街となると交通手段はトラックバスしかない。バスターミナルから国境ゲートまでは、トラックの荷台に座席をつけただけのそのトラックバスに乗り換えて行く。

 ゴッゴッゴッゴッゴッーーー、

音だけはでかいが、恐ろしくスピードの遅いこの「バス」で国境の橋の手前に着いた。さあ、ミャンマー入国だ! 

が、ここで一つ検討すべき事態に気づいた。ビザ代が500バーツ(1バーツ=約3円)もするのだ。すでにタイの田舎の物価に慣れてしまった僕には500バーツが恐ろしく高額に感じる。実際ここ数日で一度に500バーツなんて大金を払ったことがない。(ここまでの最高額は一泊450バーツのバンコクの宿)

たった数時間のミャンマー滞在に500バーツも払うことに大きなためらいを感じたが、ここは男らしくミャンマーに国際援助をするんだと無理矢理自分を納得させて、僕は国境の橋を渡った。

二つの国を分けるモエイ川は拍子抜けするほどかわいらしい小川であった。

おやっ? 橋の下から子供の歓声が聞こえるゾ。

タイ・ミャンマー国境のモエイ川
国境の川を、子供が古タイヤで越境!!

僕は橋の下を覗き込んでみた。すると、、なんとミャンマー側から子供たちが古タイヤを浮き輪代わりにバチャバチャ泳いで越境してるではないかぁぁぁ。これは立派な不法入国だ。当局は何をしている!(そんなもの見逃すなら僕の500バーツだって見逃しておくれよ!)

しかし不法入国の子供を気に留める者は誰ももない。長閑なものである。

橋を渡ったミャンマー側はさらに田舎度偏差値が上昇していた。

ここまで来ると、もはや乗物の主力は人力車。たまにエンジンが付いた乗物を見かけても、ボンネットすらない骸骨状態のボロトラックが「これがここらの当たり前で~す」って顔して走っている。

ミャンマー側ではスクラップ同然のトラックが活躍していた
ミャンマー側ではスクラップ同然のトラックが活躍していた

バンコク > ターク > メーソット > ミャンマーの国境の街、と10年ずつ時代が逆戻りしている。なんだか僕は40年ぐらい昔の世界にいるような気分だ。

ちょこっとミャンマー1日ツアー。考えようによっては、これは僅か500バーツでタイムマシン気分が味わえるお得なツアー(?)なのかも知れなかった。

(続く)


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最終更新:2016年08月26日 21:40