【おっかなびっくり、リオの休日】
第5話)名門サッカークラブを訪問
《ブラジル旅行記|リオデジャネイロ・セントロ・コパカバーナ・ファベイラ・マラカナァン》
ブラジルといえばサッカー。これがなければ始まらない。リオには4つの有名クラブがある。フラメンゴ、フルミネンセ、ボタフォゴ、ヴァスコ・ダ・ガマの4チームだ。僕はブラジル選手権のフラメンゴvsヴァスコ・ダ・ガマ戦を見に行くことにしていたが、その前に両チームのクラブを訪れてみることにした。
まずはブラジル一の人気チーム、フラメンゴのクラブ施設に行ってみた。フラメンゴの施設は高級リゾートのイパネマ地区にある。このあたりはそんなに治安は悪くないので、あまり緊張せずに辿りつけた。
イパネマ地区、ボサノバの名曲イパネマの娘が生まれた店
施設の入り口で中に入ろうとすると警備員が「お前はクラブの会員か、会員証を見せろ」と言ってくる。ただの観光客が会員証など持ってるわけないだろう。困った。すると別の係員がやってきて「お前は日本人か?」と聞いてきた。これはチャンスだ。
僕 :「はい、日本代表の監督はジーコです。だから中を見学したいのです。」
係員:「そうか、そうか、じゃ見学してもいいぞ。」
言い忘れたが、フラメンゴはかつてジーコが在籍したクラブである。ジーコの名前を出せばなんとかなると思ったら本当になんとかなった。神様仏様ジーコ様である。
施設の中に入って驚いた。ここはサッカーだけではなく水泳、バレー、格闘技その他あらゆるスポーツの総合クラブであった。広いサッカーグランドの他にも、テニスコートやプールなど様々な施設が整っている。プールも競技用とレジャー用があって、むしろ今日はレジャー用のプールで甲羅干しをしている家族会員の方が多いくらいだ。どうやらブラジルのサッカークラブは、競技志向とレジャー志向の両方の会員を持つ総合スポーツクラブで、サッカーはその一部門のようであった。
さて、次はヴァスコ・ダ・ガマのクラブ施設に行ってみる。ヴァスコの施設はセントロ地区のさらに北にある。このあたり治安は大変よろしくない。僕は緊張してリオツールで教わった番号のバスに乗った。もちろん運転手の真横に座ったのは言うまでもない。
バスは殺伐として荒れた感じの貧民街を通過してゆく。ここらあたりの住民はコパカバーナやイパネマ地区の住民とは明らかに雰囲気が違う。着ているものがうす汚いし、上半身裸のおっさんも多い。
やがてバスは巨大なヴァスコの施設に到着した。入り口はポルトガル調の堂々たるファザードで、まるで博物館のようである。殺伐としたこの地区にあって、ここだけ歴史と伝統の重みが異彩を放っている。
施設の中に入るとここもフラメンゴ同様の総合スポーツクラブであった。JUDOまであったのはビックリだ。残念ながらトロフィールームは閉まっていたが、ガラス窓から中を覗き込んで息を飲んだ。奥行き40mはあろうかと思われるトロフィールームにはズラリと巨大なトロフィーの数々が無数に展示してあった。。。間近で見たかったなぁぁぁ。
そうだ!トロフィーといえば、、、W杯のトロフィーがブラジルにあるはずだ!
僕はセントロ地区にあるCBF(ブラジルサッカー協会)に向かった。
CBFのオフィスの入り口は信じられないくらい小さかった。ここが世界一のサッカー協会のオフィスなのだろうか?入り口にはガードマンだかなんだか良く分からないおやじが3人たむろしていた。
僕 :「W杯のトロフィーが見たいのですが、、、」
おやじ:「ダメだね。見れないよ。」
やはりそう簡単には行かなかった。ちぇっ、CBFのケチ!いいもん、こうなったらいつの日か渋谷の日本サッカー協会でW杯のトロフィーを拝んでやるわい。
でも・・・はたしてそんな日が僕の生きている間に訪れるのだろうか?
頼むぞ、ジーコジャパン!
最終更新:2016年08月24日 08:14