BATLLE INTERVIEW

ゾルゲールに問う
お前、本当に
作(や)れんのか!

「サンダーフォース」シリーズを応援してきた本誌だけに、ハンパな気持ちで続編を作られてしまっては泣くに泣けない。だったら直接ナシつけたると、開発者の本音に迫る超絶インタビューを敢行。突破せよ!

―まず聞きたいのは、なぜセガから、しかもゾルゲール・作で
「サンダーフォース」なのかという点なのですが。

ゾルゲール:オレはシューティングが好きだ。お前らも好きだろう。
つまりは、そういうことだ。

―煙に巻くような発言はやめてください。どういう意味なんですか?

ゾルゲール:……では解説しよう。オレはシューティングが好きだ。当然これからも続いてほしいと思っている。そのために、オレの立場で出来ることは“シューティングを継続した商売にできる”可能性を探ることだ。その方法を考えているうちに、シューティングというジャンルのレーベル化を思いついた。1本で作っても単発の打ち上げ花火にしかなっていないのだったら、“ジャンルとしてのシューティング”を擁立して、「みんなが好きなあのゲームをどんどん作るよ」ってな。
とはいえ、現状では絵に描いた餅でしかないので、まずは1本作ってみろ、という会社の答えが「サンダーフォースⅥ」なワケだ。このプロジェクトが軌道に乗れば、セガだけでなく、今は眠っている著名なタイトルの復活だってできるかもしれない。

―なるほど、ちょっとはいいこと考えているんですね。
で、作り始めてから、少しは苦労しているんですか?

ゾルゲール:シューティングゲームは、作るのが難しいジャンルだ。上手く作れば金も時間もかからずに作れるのだが、ゲームデザイナーのセンスに拠るところが大きい。一流のシェフなら10分で作れる料理も、下っ端では数年かかるだろう?
正直自分でも開発を進めていて、“もっとできるハズだ”という気持ちに苛まれることもあるし、センスの重要さを思い知らされている。この記事で掲載してるスクリーンショットにしても、100%納得しているワケではない。かといってセンスに走りすぎてもワケのわからんことになるので、そのへんのバランス感覚も大事だろう。
もちろん、スケジュールの許す限り作り込んでいくがな。

―……所信表明なら誰でもできますからね。
次の質問です。従来のシリーズ作に関わっていたスタッフは、
本作の開発に参加しているんですか?

ゾルゲール:これは完全新規スタッフだ。だが言えることは、全員がしっかり「サンダーフォース」マニアであるということ。あえて名は伏せるが、開発担当は、シューティングゲーム作りに定評のあるところだ
正直なところ、予算もあまりかけられないから、手弁当覚悟の二人三脚で、喧々諤々しながら作っているぞ。ゲーム開発は多くの人間が関わるので、意識のすり合わせをすることも重要だしな。
念のために言っておくが、正式な権利者から、正式な許諾を受けて作っているからな。

―となると、ゲームデザインを担当しているのは、
あなたなのですか?

ゾルゲール:そうだ。なぜなら「オレが考えたサンダーフォース」になるのを避けたかったからだ。しっかり舵を取らず、気づいたら弾幕シューティングになっていた、なんてことはイヤだからな。だから、企画書レベルでステージ構成や敵のデザインまで、詳細に用意した。
開発の軸は、「みんながほしがっているものを素直に作ろう」。それから、初代~「Ⅳ」までの路線と「Ⅴ」の路線、どっちを取っても客は怒るだろうと。だったら混ぜようと。なので、「新作なのか?」と問われたら、基本オマージュだと答える。歴史には敬意を払うのでな。トータルで見たときに全体のパッケージングにオリジナリティを感じてくれればいい。
ただ、「Ⅴ」のようなサプライズ要素を盛り込むのも「サンダーフォース」には不可欠と思うので、オリジナル要素も加えてみたぞ。TAMAYOサウンドもそういう意味だ。“モドキ”を作ってもしょうがないから、それに負けないメンツを揃えてみたぜ!

―じ、じゃあプレイフィールや演出は、
「TFⅤ」を踏襲したものになる?

ゾルゲール:プレイフィールや演出は基本「Ⅴ」寄りだが、「Ⅳ」風味も出してある。一部の地形に当たり判定があるとかな。これは「サンダーフォース」ファンが「Ⅳ」路線、「Ⅴ」路線で二極化されているからだ。若いファンからは「Ⅴ」を求める人が多いだろうが、オレは「Ⅲ」や「Ⅳ」も好きだからな。
それに、見たことないヘンなメカが出てくるんだったら、口から火を噴くメカ怪獣が見たいだろう?デザインや色使いも、あえて洗練されすぎていないようにしている。それも「サンダーフォース」だと思うからだ。

―(ちょっと興奮気味に)ストーリーはどうなっているんだよ。
オーン帝国との戦い(Ⅳまで)とガーディアンの反逆(Ⅴ)をつなぐ
ストーリーとのことだが、無理はないのか?

ゾルゲール:たしかに「Ⅴ」の超展開は異端児だがな。「Ⅴ」だけ地球の話だし、ハードSFしているしな。だが新作を出すからには、SFとしては隙のある「Ⅴ」以前の物語と繋がないと意味はなかろう。その鍵が「ファウスト」の存在だ。

―……(放心状態で)。では、読者の代表としてあえて聞きます。
ゾルゲール哲が考える「サンダーフォース」の“あり方”とは?

ゾルゲール:大味上等のド派手な演出、ガンガン撃ってガンガン進む爽快系。チマチマ弾幕や惰弱な萌えとは無縁の、ハードSF路線。いろいろあったが、やるだけやってみたぜ!……というのが本音だ。
そもそも「サンダーフォース」とは、アーケードの方法論とはまったく異なるコンシューマーオリジナルシューティングの古典的傑作。100円で“お試し”ができるアーケードゲームと違って、最初に高いお金を出して買ってもらうコンシューマーゲームなんだから、多くの人に気持ちよく楽しんでもらいたい。デフォルトの難易度は、相当簡単にするつもりだ。

―(突然席を立って)わかる、わかるぞその気持ち!
シューティングゲームっていうものは、短時間のプレイで濃密なドラマが体験できる稀有なジャンルなんだよ。自分の体験が物語になる。そうして迎えたエンディングの達成感ときたらもう!

ゾルゲール:そうか、わかってくれるか!横スクロールシューティングっていうのは、“ロマン”なんだよ。ガイジンはみんな3Dにしちゃうし、我々日本人だってX軸とY軸が合っている縦シューのほうが遊びやすいだろう。そんな中、なんで戦闘機を横から見ないといけないかというと「カッコイイから」につきるだろ!(クワッ)

―よくぞ言ってくれた。あンた漢だよ。シューティングファンの
旗頭として頑張ってくれ。オレたちも応援しているぜ!
(ガッチリ握手をしながら)


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最終更新:2013年02月09日 16:31