495 :てるてるランチ序 2011/07/17(日) 18:46:15.67 ID:iL9Q9s5N
496 :てるてるランチ① 2011/07/17(日) 18:51:09.75 ID:iL9Q9s5N
497 :てるてるランチ② 2011/07/17(日) 18:56:08.60 ID:iL9Q9s5N
498 :てるてるランチ③ 2011/07/17(日) 19:01:14.22 ID:iL9Q9s5N
499 :てるてるランチ④ 2011/07/17(日) 19:06:16.64 ID:iL9Q9s5N
500 :てるてるランチ⑤ 2011/07/17(日) 19:11:17.65 ID:iL9Q9s5N

お暑つーございますー! 来たじぇー!
457 さん、何という嬉しいお言葉 いつもありがとうございます
458 さん、感謝です よかった もっと格好可愛いく書きたいです
459 さんも、でいいのかな? 嬉しいです 舞い上がっちゃいそうで自重自重
464 さん、感謝です 咲ちゃんは透華さまに遠慮したのかも でもシスコンなのは強く同意
皆さんありがとう いつも亀レスになってしまってごめんなさい

塞ちゃんかっこえー モノクルってどんな見え方なんですかねー 
涙目ハッちゃんが可愛すぎてもう ああ頭なでたい
しかしもし胡桃ちゃんが副将だったらどうなっていたことやら
「そこっ、いろいろ見えてる! ちゃんと着る!」 副将戦の面子の平常心はさすがです 見習いたい

観戦する側も大変ですよ大騒ぎです、多分
「だ、大胆だし」 「……(胸のない人が全国にも……よーし!)」 みはるんに希望が

ワハハあたりはスゴく面白がってます、多分
「久ちんの見せ牌に対抗して見せパイかー。ワハハー」
「蒲原、貴様のそういったセクハラ紛いの冗句についてだが」 ゆみちんのお説教は長そうです

で、モンプチ家は相変わらずです、多分
「わっ見えぬ! とーか、何で目隠しするんだっ」 「こ、子供の見るものじゃありませんっ」
「ころもは子供じゃなくておねーさんだぞー! 見るー!!」

「……」 ヌギッ 「ちょちょっ、国広くん! なに布、じゃなくて服! 脱ぎだしてんだよ!」
「……止めないで、じゅんくん! 負けるわけにはいかないんだっ!」 ヌギヌギッ!
「張り合わなくていいから! 負けてねーから! つかもう限界だから逮捕されるからーっ!」
「……脱布麻雀……?」

なにやら観戦ルームが騒がしいようですが、SS投下でございます
前置き長っ いそげいそげええとひーふーみー…、 5~6レスれすっ どぞ

出 演:虎姫隊、白糸台高校・宮永照ファンクラブ連盟エキストラの皆さん、清澄年少組
百合分:あほゆりー エロ:むりぽー ばか:さくれつー
おねえちゃんが好きだ! 大好きだー! なお話。 それでは、
↓スタート
******************************
「 雲の色、向日葵の色 」


「あ! ねぇねぇほらっ、あっち!」 「ん? なによ……って、ああっ、て、照さまっ!」
ここは白糸台高校学生食堂である。夏休みももう残り少ない後半に入ったある日の正午、純白
の制服に身を包む少女たちが、にわかに色めきたった。

――「 文武両道・質実剛健なる大和撫子を育成する 」――
という何だかよくわからない校訓を掲げ、部活動全般の盛んなここ白糸台女子高等学校は、日々
自己研鑽に励む生徒たちのために、長期休暇中も平日は学食・図書館といった施設を普通に運営
している。丁度昼時ということもあって、かなり広い学食なのだが、学期中程ではないけれども
部活動のために登校していた生徒達でこの日もそれなりに混雑していた。

「わー、ラッキー! いつもはお城でお食事されてるのに」 「だよね。どしたのかな」
お城とは麻雀部の部室棟、通称「虎姫城」 のことである。その一軍専用スペースは高級ホテル
並の設備が整っており、大抵のことは用が足りるようになっていると部外の生徒にも噂だった。

「こないだの全国大会も、かっこ良かったよねー」 「うん、すてきだったぁ……ハフー」
「へへー、あたし放送全部録画した! 照さま中心に編集中!」
「え! いいないいな! ねえ、照さまと弘世先輩のツーショット画像、頂戴っ!」
「ふっふっふ、さぁて、食券か宿題代行で承りましょうかね~」 「くっ、おのれ越後屋ぁ」
「私、照さまのどアップきぼー!」 「あの、永水女子の薄墨初美選手、お願い」
「私はほら、あの子、妹さん! 咲ちゃんだっけ? 感動の姉妹包容のところ!」
「ああ、咲ちゃんかわいいよねー。ちっこい照さまみたいな感じで」
「だよねー、あー実物見たーい! こっちに遊びに来ないかなー」
かしましいったらない。ちょっとヤバげな子もいるみたいだが、気にしてはいけない。

照ファンの輪は、主に下級生の間で急速に拡大中なのだ。複数のファンクラブまであるらしい。
中でも、「照様見守り隊」(主に文化会系)と、「てるテルFC」(主に体育会系)という二大
派閥が、覇を競っているとかいないとか。しかし当の本人、照はそういったことには全く無関心
で、そうした秘密結社(?)が複数あること自体に、気づいてもいないようだった。

ちなみに麻雀部員の場合、麻雀部そのものが照の親衛隊みたいな感じなので、そうした活動とは
無縁かと思いきや、実はこっそりと参加している者もいたりする。結構な盛り上がり様だが、
まあ特に行き過ぎた行動があるわけでもないので、今のところ、菫は黙認している格好だ。

「……」 食品サンプルのディスプレイの並んだケースをじっと眺めて、照が佇んでいる。

「な、何を注文なさるのかしら」 ゴクリ  「……暑いし、冷やし中華?」
「いや、オムライスじゃない? 大会中はよく召し上がられていたと聞いたわ」
「えー、なにそれカワイイっ!」 もうなんでもカワイイのである。

その場にいた全員が、遠巻きに照を見つめていた。だが照の傍に寄っていく者はいない。気後れ
するということもあるが、各FC間での取り決めの中に、直接的アプローチ、いわゆる抜け駆け
禁止の条項があるのだ。鉄の掟なのだ。

券売機で食券を買って、照が厨房のカウンター前に立った。
「あらー、照ちゃんじゃないの。珍しいねー。今日はこっちなのかい?」
学食のおばちゃんが、明るく笑いかけた。

「……うん。おばちゃんのごはん、食べたくなった」
「おや、嬉しいこと言ってくれるねー、おばちゃんはりきっちゃうよ! で、何にする?」
「……」 照がそっと食券をカウンターの上に置いた。
「! そ、それは……照ちゃん、本気かい?」 「? うん……、カレー、うどん」

ざわっと、食堂がどよめいた。
「カ、カレーうどんっ!?」 「て、照さま……そんな」 ざわ……ざわ……

カレーうどん、一杯200円(大盛り50円増)――、
特製ガラムマサラ&本格鰹だし、安くておいしいカレーうどんは、人気の定番メニューである。
ところが、まったく売れなくなる特定の時期があった。そう、夏服への衣替えの日から、ぱたり
と注文されなくなるのだ。

白糸台の純白の夏服は、近隣女子小中学生の憧れの的である。スカートの長さはある程度自由だ
が、着崩したりする生徒はほとんどいない。その代わりと言っては何だが、生徒たちは皆、その
白さにこだわる。一点の曇りもなく輝く純白の制服であることに、誇りと歓びを感じるのだ。
そんな彼女たちにとってカレーうどんは、ある意味天敵とも言える存在だった。それは何故か。

 汁 が 飛 ぶ の だ

どんなに注意しても、如何に静かに食べようとも、必ず黄色い飛沫が純白の制服のどこかに付着
していた。香辛料の香りに抗えず注文してしまった生徒は、例外なく泣きを見る羽目になった。
そうした状況をよしとせず、あえて注文するという猛者もいたが、未だ制服を全く汚さずに完食
してのけた者は、いない。

いつしかこの時期のカレーうどんは、誰言うともなく、こう呼ばれるようになっていた。
西方からの刺客、黄色の、魔王――……。

「本当にいいんだね?」 「? うん、おいしそう……カレーうどん」


「ああ、なんてこと!」 「て、照さま! そんな無茶な!」
「ねえ、ヤバくない? 照さまってドジっ……ぅむぐぐっ」
「「こらっ!」」 周りの者が、口を塞ぐ。ドジっ娘は禁句なのだ。これも鉄の掟なのだ。

「写真班を呼んできて! 今すぐっ!」 「はいっ!」
「新聞部が動き出したわ、我が放送部も負けてられない! 動画で記録よっ!」
途端に食堂が騒がしくなった。

「?」 ちらりと照が振り返ったが、すぐに前に向き直り、カウンターの向こうを見据えた。
自分のせいで騒動が起きつつあることに、全く気づいていない。ずば抜けた集中力というか、
この年頃には珍しく自意識が希薄というか、まあこういう子なんです。

「私、見てられない!」 生徒が一人立ち上がり、カウンター脇の券売機の方へ行こうとした。
確か、美術部のホープと噂の子である。くりくりとした瞳が愛くるしい。
「ちょっと待って、何をする気なの?」 三つ編みおさげの小柄な子が引き留める。
この子は確か、文芸部期待の新人だ。ちっこくてカワイイ。

「オムライスを注文して、照さまのカレーうどんと交換してもらう!」
「あ、あなた、自分が犠牲になるつもり!?」
「……」 大きな瞳を輝かせ、真剣な表情でコクリと頷いた。

「お待ち! ふんっ、『見守り隊』 が聞いてあきれるね」
スラリとした二枚目風の生徒が、美術部の子の前に立ちはだかった。バレー部の新エースだ。
「まったくだ。余計なことは、やめときな」
もう一人、凛々しい顔立ちの生徒が立ち上がる。こちらは剣道部の次期主将だ。

「あ、あなたたち、『てるテルFC』 の……、どいて! 私は本気よ! あなたたちみたいな
お遊びじゃないの! 照さまを……本気でお慕いしているの!」

「この、おばかっ!」 ぺちんっ 「あうっ!」
バレー子が美術子の頬を打った。美術子が、よよと床に倒れ込む。
「な、何するのよ! この野蛮人!」 「ひどいわっ、ばかー」 文芸子をはじめ、見守り隊の
仲間と思われる面々が、美術子を庇うように寄り添って、キッと睨み返す。

「ばかはどっち? あんたたちにはわからないの? 照さまのお心が!」
悲しそうに俯き、自らの右手を押さえながらバレー子が言った。「て、照さまの……こころ?」
「そうよ。あれほどの厳しい闘いを終えてから、まだ日も浅いというのに、今また黄色の魔王に
挑まれようとしている……この意味が、分からないのっ!?」

「私たちはこの夏、一応の結果を出した。どの部も皆がんばったと思う」 剣道子がバレー子の
後を引き継ぎ語りだした。この夏、白糸台は文系も体育系も各方面で大活躍だったのだ。
「でもそれに満足して、最近気が緩んでいやしないか? それじゃダメだ。そう、我らは常に
挑戦者でなければならないんだ。照さまはそれを、身をもって示されようとしているのさっ!」
はっ、と一同が息を飲んで黙った。いつものお昼のBGMが、食堂内に静かに流れていた。

「くっ……わ、私が、間違っていたわ……」 がっくりとうなだれる美術子。
「美術子……」 文芸子が、そっとその肩を抱いた。
(※あ、言い忘れてましたが、仮名でお送りしております)

「ありがと、わかってくれて。ごめん、痛かった?」 バレー子が美術子の手を取り、立ち上が
らせた。パタパタと埃を払ってあげる。清掃が行き届いているので、制服は汚れずに済んだ。
「ん、ちょっと。……私の方こそ、お遊びとか言って、ごめんなさい」
「バレー子でよかったよ。剣道子のチョップだったら、気絶してたかも」
「言ったな卓球子、よ~し、お前で試してやろう」 「きゃー、暴力反対ー!」
食堂が生徒たちの明るい笑い声で包まれた。「さ、皆で照さまを応援しよう!」「おー!」

この一連の騒動を、少し離れた端っこの席から、ジト目で眺める二人組がいた。誠子と尭深だ。

「……なんだこれ」 誠子が気だるく呟いた。なんでしょう。
「……あつい、ね」 尭深が静かにお茶をすすった。遠い目をしている。

(※えー、念のためお伝えしておきます。白糸台は進学校です。偏差値高いです。いやその)

「しっ、みんな、始まるわ!」 いつの間にか少し離れたテーブルに、照が一人で座っていた。
先程の感動のへっぽこ青春劇場については、自分には関わりのないことと認識しているようだ。
我関せず、といった風情である。照の前には、トレーに乗った湯気の立つどんぶりが一杯。
ほのかに香辛料の芳香が漂ってくる。

一同が固唾をのんで見守る中、おもむろに照が動き出した。「て、照さま……」

パキッ  割り箸を割る音が響く。 「……」 緋色の瞳が、きらりと輝く。
(咲、おねえちゃん、今日はカレーうどんにしたよ。おいしそうだよ……)

一方その頃、清澄高校――、

「タ・コ・ス! どーーんっ!」 「またタコスですか。よく飽きませんね」
今日は登校日、ここは清澄高校の学食である。麻雀部の一年生トリオが、各々注文した品を乗せ
たトレーを持って、テーブルに着こうとしていた。

いつもは和がお弁当を多めに作ってきたりして、天気の良い日は中庭で食事をしたりする。
ちょっとしたピクニック気分も味わえて、皆大好きな時間なのだが、さすがに残暑の厳しい今の
時期は、そうするわけにもいかない。お弁当の鮮度も心配だ。

「ふふんっ、タコスの旨さは年中無休だじぇー!」 優希のハイテンションも年中無休だ。
「あはは、ゆーきちゃんは暑くても元気一杯だね」 咲がふわっと笑った。
「! ……」 何故か和の頬が朱に染まる。(な、なんて無垢な笑顔……ああもう)
大会が終わってから、あの激烈な闘いをくぐり抜けてから、咲はよく笑うようになった。

「おう! タコスパワーで夏バテ知らずだじぇー……っ、おろ? 咲ちゃん、それは」
「咲さんがカレーうどんって、珍しいですね」 いつもは大体定食かおにぎりなのだ。
「う、うん、えへへ、何かおいしそうだなーって……それに」 ちょっと口ごもる。
「それに?」 和が優しく促した。
「えっと、カレーうどんがいいよって、おねえちゃんの声が聞こえたような気がして……」

「そ、そうですか。照お義姉さんの……」 和の頬が、ぴくっとひきつった。
咲さんが嬉しそうなら、私も嬉しい。咲さんの笑顔を見ると、それだけで幸せな気分になれる。
……はずなのに。何でしょう。私は何をイラついているのでしょうか。

「咲ちゃんは照ねえちゃんがホントに好きなんだなー。私のタコスへの愛といい勝負だじぇ」
「ええっ? そ、……いや、うん……スキ、カモ」 真っ赤になって俯く。
「カ、カレーのシミは落ちにくいですから、気をつけてくださいねっ」 少しツンとした様子で
和が言った。「? う、うん。気をつけるよ」

あああ、違うでしょ私っ! 何でそんな言い方を! ああ、咲さんが少し困り顔です。違うんで
す咲さんそんなつもりじゃああもう、でも困り顔もカワイイです咲さんあああどうしましょう。
「……さ、さあ、いただきましょう。この後、部室に顔を出さなければなりませんし」
「う、うん、そうだね。いただきます」

そのとき、そっと和の耳に口を寄せて、優希が囁いた。
「私はのどちゃんの味方だじぇ?」 ニヤリ。「! な、何を言って……わ、私は、そんな、」
「なぁに? ないしょのおはなし?」 くすくす笑いながら、咲が訊いた。
「い、いえその、何でも」 「咲ちゃんと照ねえちゃんって、お似合いだじぇって話してたー」
「えええっ? そ、……あの、その……えと、アリ、ガト」

「あははは、咲ちゃん真っ赤っかー……ってイデデデデデっ」 和が優希の耳を引っ張った。
(言ったそばからー! ゆーーきーーーっ!!)

「あわわ、のどかちゃんなんで? どしたの?」 「もうっ、知りませんっ」 ぷいっポヨンッ
むくれた様子でそっぽを向いて、パスタをくりくりとフォークに巻き付ける。とても一口では
収まりきらないくらいに、パスタがどんどん巻き取られていくが、止まらない。
(? ど、どしたのかな? ……でも、怒っててもカワイイな、のどかちゃん……ふふっ)

えいやっ、と戻って白糸台高校――、

するすると、上品にうどんをすする音がする。「鳥子、どう?」 (※仮名です)
「一口目、クリア!」 バードウォッチング同好会の子がオペラグラスを覗きながら答えた。
「さ、さすが照さま、鮮やかな一口目だわ」
「油断は禁物よ、リズムに乗ってからが、一番危ないの」 「た、確かに……」
「……それでも、それでも照さまならっ」 「うんっ、きっと照さまならっ!」

(うん、おいしい) 少し微笑んで、照が箸を進める。

「三口目、クリア! 順調です」 「その調子! 照さま……って、あ!」
ふと照の箸が止まった。「ん……ふ」 ちょっと鼻の辺りをひくっとさせた。
「い、いかんっ、あの気配は、くしゃみ!」 香辛料のせいだろうか。

「ふっ……くしっ」 顔を横に逸らして、手で口元を隠し、照がくしゃみした。
割り箸がぴくんっと小さく跳ね上がる。

「!!」 食堂に戦慄が走る。「くしゃみカワイイ!」 「と、鳥子! 状況は!?」
「え、えと、胸元、クリア! 右袖、スカート、クリア! 左袖、……あっ」
「な、何? 左袖は? 鳥子っ、答えなさい!」
「ひ、左袖、……袖口上方およそ3センチ……、2ミリ角、ひ、被弾……っ」 ざわっ

「ああ! 照さまっ!」 「なんてこった!」
「くそっ! 衛生兵……じゃなくて家庭科部! 被服部でもいい! 染み抜きを!」

(何? 騒がしい) 照がちらっと皆の方を見たが、すぐ目線をどんぶりに戻した。
(おいしい。うん) 飛沫が袖口を汚したことに気づいていないようだ。

「待って、誰が行くの? 抜け駆け禁止の掟は?」 「言ってる場合じゃない。ここは私が」
「いや、私が行く!」 「いやいや、私が」 「いやいやいやいや」
どうぞどうぞ、とはならないのである。

きゃいきゃいもめている集団から、少しはずれた場所にいた子が、誠子と尭深に気がついた。
「あ、亦野さん、渋谷さん、大変よ、照さ……宮永先輩が」
「あー、心配ないない。もうそろそろ来る頃だから」 「? え、何が?」

と、そのとき、キィッと食堂のドアが鳴って、誰か入ってきた。
長身、黒髪ロング、背筋がぴしっと伸びている。颯爽と、弘世菫の登場である。

ぐるりと食堂内を見渡すと、照を見つけて歩み寄る。その途中で菫がちらっと目をやると、あれ
ほど騒いでいたあほの子たちが、ぴたっと静まり返った。「……?」(何だ?)

「弘世先輩が、ご降臨なされた……」 「……お任せしよう」 「菫さま……」

つかつかと照に近寄ると、「照、……ん? カレーうどんか」 一言そういって、ポケットから
大きめの白いハンカチを取り出し、照の後ろから手を回す。
「ん、モグモグ、何?」 「つゆが飛ぶだろう?」 ハンカチを前掛けのように首に巻いた。

「てて、照さまの! 前掛け姿!」 「あうっ、かわいい……」 「……ハァハァハァ」

「左袖、少しはねてるな。後で染み抜きしよう」 「ん? いいよ、このくらい」
「だめだ。お前はうちの顔なんだ。ピシッとしてないとな」
隣に座って頬杖を着き、ほほえみながら菫が照を見つめる。

「……おいしい?」 「……うん」
大会の後、照はきちんと食事を取るようになった。菫はそれがすごく嬉しい。以前は菫が注意し
ていないと、一食や二食平気で抜いていたものだった。

「なんて愛おしそうに……」 あほの子たちが、二人の様子に見とれている。

「照、口の横、ついてる。ああ違う、そっちじゃないよ」 「? 、……ん」

照が菫の方に軽く顎を突き出した。「……まったく」 苦笑しながら菫が手を伸ばし、照の口元
に着いていた小さなうどんの欠片を、ちょいっと摘んでぱくっと食べた。

「ほあぁあ~~~~~!!」 「……ハァハァハァハァハァハァ」 「ちょ、文芸子、鼻血、はなぢっ!」
「ああありがたいありがたい」 「ええもん見た~」 全員によによニヤニヤ。

「……あまい、ね」 遠い目をして、尭深が呟いた。
「……なんだかなぁ」 にやけつつも、げんなりな誠子。

妙なほんわかムードに食堂が包まれたそのとき、バンッとドアが勢いよく開いた。
「あーいたー! もーひどいー、おいてくなんてー!」 大星淡の登場である。かしましい。

「ふんとにもう! ……おろ? 照先輩、カレーうどんですかー。私もそれにしよーっと!」

この10分後、盛大につゆを跳ねた淡が泣き出すが、家庭科部の精鋭染み抜き部隊によって、
事なきを得る。同日の午後、ちょっと大きめの菫のジャージを着て、校内をうろつく照が目撃
されている。その姿は、前掛けスタイルと共に休み明けFC会報第一号のグラビアを飾った。

この日を境に、夏場でもカレーうどんはちらほらと注文されるようになった。

「夏に二人でカレーうどんを食べると、もっと仲良くなれる」
という新たな伝説が生まれたのだ。

”黄色の魔王”が一転して、”幸せのカレーうどん”と呼ばれるようになったとか。

……えー、誤解のないように重ねて申し上げますが、白糸台は進学校です。いやホントに。

********************
以上 読了感謝  だしっ

501 :てるてるランチ蛇足 2011/07/17(日) 19:16:18.18 ID:iL9Q9s5N
自分を再発見いたしました 暑いとばかが加速します

はい、そんなわけでお疲れさまでした ありがとうございました

てるてるとすみれちんをいちゃいちゃさせたかった……ただ、ただそれだけなんだ
今は反省 していません ヒャッハー

いやもう、暑いですな なんですかもう 夏っちゃん少しは手加減してください
これじゃ出前で冷やし中華頼んでも、届く頃には煮込みうどんですよ
いつから日本は亜熱帯になったんだと……はっ、そうかつまり姉帯さんは岩手っ娘カワイイのだ!

とはいえこの暑さ そりゃハッちゃんだって豪快にはだけますよ
このままじゃ、のどちゃんの私服とかはじめちゃんの私布とか、ますますえらいことになっ……はっ、
ハッちゃんの私服は……やはり布か、布なのかっ!? 布がヒラリでゴッなのかーー!?

ああなんか愚痴っぽくなりました いかんいかん 福岡の須原先輩(※仮名)、一言お願いします
「カキ氷がおいしくって、すばら! すばらです!」 前向きだなー

続きまして沖縄の銘刈さん、一言お願いします
「あはは、だいじょーぶ、なんくるないさー」 そっかー

めかるんもきっとイイコに違いありません、うむ  ではまた

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最終更新:2012年07月17日 23:40