763 :名無しさん@秘密の花園:2009/09/06(日) 17:30:07 ID:ZqB5BMZG
数レスお借りします。かじゅモモで、若干脳内設定を含む上にエロ有りなので苦手な方はIDNGでお願いします…





開口一番「睦月に答辞を押し付けられた」と、憮然とした面持ちで彼女は言った。
卒業式までもうあと一週間。今年の冬は暖かいが、雪解けはまだ始まったばかり。
新部長の睦月が生徒会関係で多忙を極めていて麻雀部の活動もままならないため、学校が終わると何は無くともゆみの家に直行するのが桃子の日課になっていた。
「ほんとっすか!私最前列でこっそりカメラ回しちゃうっすよー!!」
「お前がやると洒落にならない、っていうか頼むからやめてくれ」
壇上に立つその人の凛々しい姿を思い浮かべてきゃあきゃあと無邪気な悲鳴を上げている桃子に、ゆみは弱々しい突っ込みを入れるのが精一杯だった。
入試も終わり、あとは合格発表を待つのみの身なので家に篭もっていても手持ち無沙汰ではあるようだが。
それよりも、手近で間違いのなさそうな人間に面倒事をさりげなく持ってくるあの仏頂面に文句の一つも垂れてやらないと気が済まない、と彼女は一人ぼやく。


学生の一人暮らしにしてはいささか大きいワンルームマンション。片付いてはいるが、スペースに対して物が少ないので若干殺風景な部屋である。
シャワーを借りて、さてあり合わせで何か作れるだろうかと冷蔵庫を覗こうとした時。
下着の上に薄手のカーディガン1枚だけを羽織り、広げた原稿用紙に向かって頬杖をついているゆみの背中が目に飛び込む。
柔らかそうな布地が形作る、丸みを帯びながらも引き締まった身体のラインがそれはもうくっきりと。
「先輩、風邪引くっすよ」
「別に寒くない」
子供のような言い訳が微笑ましいのと、ちょっとした役得気分で、桃子はくすりと笑った。
取り敢えず電気ポットと炊飯器をセットしている間、部屋にはゆみがシャープペンシルを走らせる音のみが響く。
ついでに洗濯機も回してしまおうかと考えていると、筆が進まないのか、ひとつ大きく伸びをして溜息をつくその無防備な後姿。
(モモレーダーの統計によると、先輩がシャワーの後なかなか服を着ない時は…たぶん誘ってるっす!)
たぶん、な時点で統計も何もないのだが、桃子の心にちょっとした悪戯心が芽生えた。
気配を殺して背後に回り、ぴたりと上半身を密着させながら首筋に唇を寄せてみる。
同じシャンプーを使っているのに、蕩けそうなほどのいい匂いが鼻腔をくすぐる。
衣擦れの音に、ゆみが一瞬息を呑む気配が伝わってきた。それから何やら言いたげな視線でこちらを一瞥するが、すぐに机上に視線を戻す。
ならばと、その体勢のままカーディガンの上から浮き出るブラジャーのラインをついっと指でなぞる。…性感帯らしい肩甲骨の周りも含めて。
「…煽ってるのか?」
「いやいや、後で襲っちゃいますよっていう予告編っす。原稿のお邪魔するのも忍びないので」
「十分気が散ってるわけだが」
「それは申し訳ない、でもそんな格好してたらいわゆるあれっすよ、アナコンダの前に子羊を差し出すような」
ふむ、とペンを置いてゆみはやや芝居がかった仕草でこめかみに手を置く。
「ならば先手必勝ということか」

(…あれ?)
一瞬の後にその場に組み敷かれている自分の状況を桃子は完全に把握できないでいた。
下に引いてあるラグがふわふわと柔らかいので、床の上でも特に痛くはないのだが。
「えーと…」
とりあえず抗議してみるべきだろうかと考えている間にも、ゆみはこなれた手つきで桃子の着衣をたくし上げてはするすると脱がせていく。
「せ、先輩ずるいっす!最近私ばっかり…っじゃないすかー!」
「お前のほうが可愛いんだからしょうがないだろう、私が蛇になるしかない」
明らかに恥ずかしい台詞を平然と吐いて、綺麗なその人はちらりと笑う。
私には先輩のほうが可愛いんすよ!と、じたばた暴れてみるも既に手首はがっちりと掴まれ、太腿は上手いこと相手の膝の間に収まり込んでいる。
下着のホックを外され、鎖骨の下、肩紐が隠していた小さな赤い鬱血の痕にゆみは唇を寄せる。
前回つけられた所を更に強く吸い上げられて、ちくりとした痛みと共に掠れた吐息が漏れた。
「…っん」
白い肌の上、更に濃さを増した痕に満足げに目を細めて、もう一度そこに口付ける。
「かわいい」


「っふぁ、あ、せんぱい…っ」
奥で責め立て続ける2本の指に幾度と無く高みまで運ばれ、口をついて出る嬌声を抑えることが出来ない。
刺激が届く度に自分の意思とは無関係によがる腰の動きが恥ずかしく、もうイかせて欲しい、と必死に目でせがんでも、啄ばむようなキスが降ってくるだけ。
ふと、蠢くものの動きが浅くゆるやかになると同時に、耳元に降りてきた小さな囁き声。
『名前で呼んで』
桃子は一瞬何のことだか分からずに真意を求めてその瞳を覗き込み返し、ゆみはそれを受けて悪戯っぽく笑う。
「私が卒業してしばらく経ったら、もう『先輩』じゃおかしいだろう?」
ずっと一緒にいるんだから、という実にナチュラルな彼女らしい殺し文句に、愛おしさで胸がきゅうと締め付けられる。
「でも、先輩は先輩っすもん…」
桃子の額に汗で張り付いた髪を払う長い指。もう一方は変わらずに秘所の入り口を撫でるような曖昧な動きだけ。
どうやらその欲求を叶えるまではいくらその先を望んでも与えてはもらえないらしいので、しばし躊躇いつつも口を開く。
「え…えと、ゆみ、ちゃん」
その言葉にゆみはやや驚いたように目を丸くして、すぐにどこか困ったような照れくさいような表情に染まっていった。
「だめっすか…?」
「いや、すまない、今の今までそんな風に呼ばれたことがなかったから」
お互いこそばゆさに耐えかねて、一瞬目と目で苦笑いを浮かべた後にゆっくりと深い口付けを交わす。
息継ぎの合間に『どうして欲しい?』と暗に問うて来る視線に応えて、桃子が迷うことなく両手をゆみの頸の裏に回すと、指の律動がじわじわとリズムをつけて再開される。
更に空いた方の手で胸の突起を捏ねるように愛撫され、全身に甘く疼くような痺れが走る。
「…っ、やっぱりずるいっす、だって、先輩は私のことずっと『モモ』って呼ぶ…んっ」
そんな中でふつふつと脳裏に沸いて出た疑問を訴えてみようとするが、止まらない、止めてもらえない快楽の波に流されて上手く言葉を成さない。
「確かにそうだな、じゃあ…」
桃子、と。
短く、しかしはっきりと、普段呼ばれることのないフルネームが熱を帯びた吐息を伴って耳に届く。
大人の味をたっぷり含んだその響きとハスキーな声音に鼓膜から侵食されてしまいそうな錯覚すら覚える。
「んぁ、っ」
そんな自分にだけ許されたフェティシズムに酔い痴れていると、容赦なくダイレクトに最奥を探り当てた刺激が緩急をつけて襲ってくる。
否応無しに腰が跳ね、回した腕に力が篭もる。境界が分からなくなるほどに密着した肌と肌。あとはもう、登りつめるのみ。
声にならない声をゆみの肩口で搾り出して、桃子はもはや何度目かも覚えの無い絶頂に達し、果てる。
甘い余韻に浸され過ぎてくったりと弛緩した身体を優しく撫でる掌が、たまらなく心地よかった。


「言っておきますが、私だって先輩を名前で呼んじゃおう計画はこっそり立ててたんすよ」
ベッドサイドに腰掛けて妙に自信有りげに語り始める桃子に、ゆみはうろんげな視線を向ける。
「ゆーちゃんとか、ゆみっちとか、かじゅ~とか」
天然なのか冗談なのかよく分からないラインナップに脱力を禁じ得ない様子だが、最後の単語を聞くやいなや、ぴくりと形の良い眉を潜める。
「待て、二つ目までは百歩譲って認めるとして、最後のは…」
「あれ、あのハンドルネームって自分で考えたんじゃないんすか」
「そんな訳あるか!あれは私がいない間に蒲原に勝手に決められたんだ!あいつはまったく……」
耳まで赤く染めながらぶつぶつと毒づく横顔さえも愛らしく思えて、桃子はベッドからそのままダイブする格好でゆみに抱き付いた。




かじゅモモ屋上編とワハハ視点編と>>48からインスパイア編を同時進行で書いてたら、あろうことかこれが一番早く出来てしまったので投下してみました。スレ汚し失礼

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最終更新:2009年09月07日 18:46