アリクイヘビ

 体長80cmほど。ボンタス地域の一部に生息。
 世にも珍しい、アリしか食べないヘビ。口はすでにアリを食べられさえすればいいように、細長く変化してしまった。これで巣穴に入っているアリを吸い込んで丸呑みする。また歯や牙も退化してしまっていて、今では咥内に格子のようなものとして存在している。これは「アリは通すがそれ以外のものは通さない」仕組みになっていて、ピーナッツとか入れても弾き出される。すごいメカニズムである。
 とにかくアリでありさえすればよく、そして決してそれ以上のこだわりはないらしく、ベタアリをはじめとして様々な種類のアリを食べる。驚くのは、なんとシロアリも食べるという点である。シロアリはアリの仲間ではなく、むしろゴキブリの仲間らしいが、アリクイヘビ的には気にならないらしい。重要なのは名前らしい。ベタアリの捕食者が名前に拘泥するというのも皮肉な話で。
 またアリは丸呑みするので、腹の中に入ってもしばらくは生きている。アリクイヘビの消化能力はあまり優れたものではないらしく、これがなかなか長い期間いるんだという。それはもう1匹のアリが天寿を全うできるくらい。なので噂によるとアリクイヘビの腹の中にいる雑多な種類のアリ(シロアリ含む)によって、腹の中において新しい国家が作られることもあるそうで、おかしな話だがアリクイヘビの腹の中はけっこうアリの巣のような構造になっており、アリたちにとってみればわりとそこでの生活は快適だったりするのだという。
 捕食してるんだか保護してるんだか、残酷なんだか親切なんだか、よく判らない。とにかくアリが好きなのかもね。


最終更新:2009年07月07日 16:05