【種別】
人名

【初出】
SS一巻

【CV】
日野 聡


【概要】

かつてスキルアウトの一員だった、学園都市の暗部に属する少年。無能力者(レベル0)

エイワスに三種類のヒーローの一種「誰にも選ばれず、資質らしいものを何一つ持っていなくても
たった一人の大切な者のためにヒーローになれる者」と評される、上条当麻一方通行と並ぶ『第3の主人公』。

【人物】

優れてはいない顔にぼさぼさの茶髪、
服装はジャージの上に下はジーパンというラフな格好をしている。
初登場時は鼻にピアスをしていたが、SS巻での上条との戦闘により千切れ飛んでおり今はしていない。
このときの傷に絆創膏を貼っていた様子が各種媒体で確認できる。

駒場利徳亡き後、組織内でNo.2だった浜面は彼の後を継いで(継がされて)スキルアウトのボスになった。
本人は貧乏クジを押しつけられたと感じていたが、
スキルアウト時代の仲間である半蔵は彼に対して、
「実際に嫌ってるヤツなんてほとんどいない」「お前を待ってるヤツもいる」と評したことから、
単純にリーダーを押し付けられたわけでもなく、それなりに人望はあったようである。

バニーさんのエロ動画を誤送信したことから、何かと絹旗にバニー好きの変態としてからかわれている。
浜面曰くバニーも好きだが、水着みたいな格好が水着の似合わない場所で見られるアンバランスさが素晴らしいだけなので、
モーターショーのコンパニオンでも大丈夫とのこと。
過去に夜の街で黄泉川愛穂に14回捕まり留置場にぶちこまれた過去を持つため、
彼女に対して好意的な感情はないらしい。
(だが彼女に補導された際に「相談相手になってやる」と言われ渡された電話番号は残っていた)

基本的にはヘタレだが、十五巻以降は滝壺の為なら尋常ならざる行動力と勇気を発揮できるようになった。
その範囲は二十巻から、滝壺を中心として少しずつ広がっていった。
大切な物をなりふり構わず全力で守ろうとするその姿勢が、見ず知らずの他人を動かすことも多い。
ディグルヴグリッキンアックア丈澤道彦等)
その分、大切な者に対し危害を加えようとする敵には容赦がなく、
学園都市暗部の追手から素養格付の情報を引き出すために拷問すら行ったことも。

【能力・スキル】

スキルアウトの一員だったことから分かるようにレベル0。
分類上は何らかの能力者ではあるが、微弱過ぎて本人も能力名を忘れている。

そのため強力な異能を持つ上条や一方通行と違い、
銃器や車両など、その場にあるもので創意工夫しながら戦う。
新約以降はファイブオーバードラゴンライダーといった駆動鎧などの兵器を駆ることで、一定以上の戦力として活躍している。

勉強は苦手で、頭が悪いことを自他ともに認めている。
作中でも度々「バカっぽい顔」「頭の悪い話し方」などと評されている。
しかしその一方で、上条と同じく修羅場や戦闘時におけるとっさの判断力や機転、飲み込みの速さは異常なほど優れており、
立てる作戦や話し方も頭の悪さを感じさせない冷静なもの。
学校の勉強は苦手なようだが、地頭そのものは悪くないのかもしれない。

フィジカル面では強靭そのもの。
スキルアウトとして能力者に対抗するため、本人曰くアスリート並に体を鍛えているという。
何度も荒事を経験したことから路地裏の作法も心得ており、単純な肉弾戦なら上条を上回る。

また、本人に自覚はないがピッキングの腕前は神業的で、
学園都市の最新鋭バイクである『ドラゴンライダー』の超精巧なアナログ鍵を解錠し、驚愕されている。

運転技術もかなり高く、乗用車は勿論建設重機も動かせる。
スキルアウトにスカウトされたのも、建設重機を利用したATM荒しにその技術が必要だったのが理由。
アイテムでも運転手をしており、彼女らの移動手段はもっぱら彼がピッキングで調達した盗難車となっている。
余談だが車の運転はできるが免許は持っていない。(曰く「必要なのはカードじゃない、技術だ」)

また、銃火器や機械といった「異能の力を一切用いない純粋な武力」は幻想殺しが通用しないこともあり、上条が最も苦手な攻撃である。
反面、一方通行には一度能力を発動されてしまうと銃や機械では手も足も出なくなってしまう。
これにより「上条>一方通行>浜面>上条」というジャンケンのような三竦みのパワーバランスが出来上がっており、作中でもそれを意識した描写が度々見受けられる。
上条や一方通行と比べて活動できる領域は広いものの、力不足は否めず、いざという時の打開性も弱い。

だが、浜面の真価は戦闘力ではなく「盤上に存在することによる不思議な影響力」にある。
浜面がアレイスターに始末されかけた理由は「レベル5を独力で撃破した計画にも想定されていないイレギュラー因子」であることであったが、
作中では何度もその行動により大きな盤上をひっくり返す一因に繋がっている。

何度か事件に関係した一方通行もその異常性を認めており、
「俺も体験してみて分かった。...あいつホント何のために存在してやがるンだ?
砂粒みてェな存在感のくせして、こォなっちまうと盤の動きがどこでバグってフリーズするか分かったモンじゃねェ。
まるでソースコードの中で間違った記述をいったん見つけたはずなのに、
画面をスクロールして戻ると見つけられなくなるみてェな気持ちの悪さだ。
どォでも良いくせに放っておくと致命的なエラーとやらに化けかけねねェ」
と述べ、クリファパズル545からも
「犯罪計画設計者にとってのイレギュラー因子、予期せぬ目撃者、目に見えぬ病巣。
浜面仕上っていうのはソースコードに紛れ込み、エラーがエラーを呼ぶとんでもねえ野郎なのかもしれません」
と、その異常性を評価されている。

【作中での行動】

かつては駒場利徳半蔵と共に、不良としての生活を楽しんでいた(SS2巻)。

SS巻では、駒場の死後、スキルアウト内でNo.2だったためにスライドする形でリーダーに就任。
学園都市上層部の依頼で御坂美鈴の命を狙うが、上条当麻に撃破される。

十五巻。上条に敗れた後は学園都市の暗部に墜ちたらしく、
アイテム』の下部組織に所属し、下働きとして雑用や運転手を行う毎日を過ごしていた。
しかしその仕事を行っていくうちに、人の命の軽さにショックを受け、
無能力者の命はどうしてこうも安くなってしまったのかと考え、落ち込んでいた。
が、暗部同士の抗争の中で、無能力者の自分を守るため大能力者の滝壺理后が超能力者の垣根帝督に立ち向かったこと、
そして上条の言葉を思い出したことを切っ掛けに、滝壺を守る為に能力者や学園都市の暗部と立ち向かう決意をする。
第三学区での『スクール』との戦闘で垣根に滝壺の体が限界であることを告げられ、
もう『アイテム』に関らせないようにと逃亡し、気絶した彼女を黄泉川に預けた。
その後、浜面と滝壺を追ってきた麦野沈利を機転と拳銃と男の意地で倒し、
本当の意味でレベル0がレベル5を一人で打倒するという快挙を成し遂げた。

十九巻。絹旗と共に入院していた滝壺のお見舞いに訪れる。
しかし、滝壺が当日退院だったため、個室サロンを貸し切り退院祝いの開催を企画。
その際の絹旗との会話から、スキルアウトには戻らずに潜伏していたらしい事が判る。
時間潰しにC級映画(監督:ビバリー=シースルー)を鑑賞した後、
絹旗に対し十五巻における暗部抗争で壊滅した組織の残存勢力を集めた新チームとして、
迎電部隊残党の掃討を命じられた。
しかし絹旗は一人でノルマを達成してしまえば、新チームに戻らずとも文句は出ないものだ、
として浜面を巻き込んだので、しぶしぶ調達した車で出発したが、突如『六枚羽』の追撃を受ける。
最大時速マッハ2.5というトンデモ兵器にも、発煙筒を使ったフレアなど絹旗の機転で辛くもこれを退けるが、
車がクラッシュした影響で絹旗とはぐれてしまい、更に偶然にも滝壺が待つ個室サロンが元迎電部隊の残党に占拠された事をドレスの少女に電話で告げられる。
単独でも彼女を救うため遊覧用のヘリをジャック(最終的には事情を汲んで協力して貰った)し、
20メートル弱の高さから、パラシュートなしに飛び降りるという荒業をやってのけて侵入。
滝壺の元まで何とか辿り着くが、そこで彼女の容体を確かめていた一方通行と遭遇。
一方通行には、イイ悪党と評され、彼が滝壺に危害を加えようとしていると誤解しために戦闘を開始するも、まったく歯が立たず自分の無力さを痛感させられる。
だが、滝壺が浜面を救おうとしているのを見た一方通行が情けを掛け、見逃された。

体調不良がぶりかえした滝壺を抱えて逃走を図るが、
今度は猟犬部隊・『アイテム』・『スクール』の残党で結成された暗部組織寄せ集め部隊の襲撃を受ける。

アレイスターのプランによれば本来彼は十五巻の一件で死んでいたはずらしく、
加えて無能力者の身でありながら虎の子である超能力者を単独で撃破するなど、
アレイスターにとっても無視できない
『許容範囲外のイレギュラー因子』と化しつつあるという。
六枚羽』をわざわざ浜面一人に対して差し向けるなど、過剰とも言える排除行動を行ったのもアレイスター及び彼ら。
更に、瀕死の重傷から蘇った麦野にも追撃され、滝壺共々第二三学区にまで追い込まれてしまう。
原子崩し』の圧倒的な力に追い詰められるが、今回も周辺の機材や設備を駆使して何とか勝利を掴むことに成功。
しかし、学園都市の部隊による追撃はまだ続いていると絹旗から知らされ、そこから逃げるために超音速旅客機での脱出を画策。
最後はどういう意思かは分からないが、麦野の援護もあり、地下にある戦闘機試験場から超音速旅客機に乗って
滝壺とともに自動操縦で離陸した。さすがに飛行機を着陸させる技術は持っていなかったようで
しばらくの移動の後、二人でパラシュート降下を敢行。偶然か必然か、そこはエリザリーナ独立国同盟の上空であった。

ロシアではプライベーティアから集落を守ったり一方通行に出会ったりと紆余曲折あったが、
エリザリーナの力を借りて滝壺の治療に成功。再度襲撃してきた麦野とも全力の説得で和解した。
そして学園都市の追手から素養格付という命綱を入手することで、滝壺・麦野共々学園都市への帰還に成功した。

新約一巻。帰還後は新生『アイテム』の正規構成員になり前と変わらぬ下っ端ライフを送りつつも、
鍵開けの能力をロードサービス等の方面に使えないかと勉強を始めるなど、滝壺との関係を守るための行動を始めている。
そんな中フレンダの妹であるフレメアに出会い、彼女が「闇」に狙われていることを知り、同じくフレメアと関係性を持つ一方通行と共に新入生に立ち向かう。
そして黒夜を撃破するがフレメアを隠しているビルに窒素爆槍を撃ち込まれかけるも、駆けつけた上条により事なきをえる。

新約二巻。上条と再会した後、レイヴィニアから曰く「世界を覆うもう一つの法則」、魔術サイドの情報を得る。
その後、ラジオゾンデ要塞降下の際、上条を援護して落下位置の変更に一役買った。

新約三巻。上条らと共にハワイに向かい、魔術結社グレムリン」の計画阻止に奔走。

一端覧祭では、フロイライン=クロイトゥーネおよび復活した垣根帝督
の襲撃に巻き込まれる。
フロイラインの人の脳を捕食する「機能」を止めるため、サンドリヨンを彼女の「材料」がある「アイテム」のシェアハウスまで連れて行き、事態収拾の一端を担った。

新約七巻。薬味久子が仕掛けた『人的資源』プロジェクトに巻き込まれ、連絡が取れなくなったフレメアを絹旗と共に捜索する最中に薬味と遭遇。
薬味の相手を絹旗に任せ、黒夜と協同してフレメアを狙っていた恋査と交戦するも敗北。
現れた上条に助けられ、彼にフレメアの救出を託した。

新約十二巻。暗部に関わらず綺麗な生活を続けるため、
かつてドラゴンライダーを元にした試作機をステファニーとともに第二学区で試運転していた。
その後、ステファニーと共に仕事で運搬着(パワーリフター)を装着し第一五学区ダイヤノイドを訪れたところ、
サンジェルマンのダイヤノイド襲撃に巻き込まれる。
サンジェルマンが「アイテム」のメンバーと接触しようとしているのを見て戦おうとするも、
魔神の脅威を知る上条当麻に止められる。
上条の方法では「アイテム」を助けるには間に合わないとして運搬着を装着して上条と戦い、
上条を下してサンジェルマンのもとへ向かう。
しかしサンジェルマンが上条に襲い掛かっているのを見て上条を救出し、
そこで藍花悦という少年がフレンダの友人であることを知る。
上条とともにフレンダの隠し部屋を見つけ、そこにあった隠しカメラから藍花とサンジェルマンの会話を聞き、
「上条当麻がいなかったせいでフレンダが死んだ」という言葉に理不尽さと自分たちの努力を否定するものを感じ怒りを覚える。
その後、「アイテム」の面々や上条達と共にサンジェルマンの軍勢と立ち向かい、これを撃破した。

新約十三巻。防犯オリエンテーションでは悪人面が祟ったのか、人質役にもかかわらず犯人役と勘違いされてフレメアに捕まる。
その時上条を追って爆走する僧正に轢かれかけたが、防犯カメラの情報から危機を察知したアネリが機転を利かせたことで難を逃れている。

新約十五巻。上条とのつながりから「絶滅犯去鳴に接触されるが、
彼女が望んでいた目的に合致する存在ではなかったことから交戦には至らなかった。

新約十六巻。町中でランニング中にエレメントの騒動に遭遇、必死で逃げ回る。

新約十九巻。プロセッサスーツを装着させられ、
訳が分からないままA・O・フランキスカ、警備員、一方通行に追われる事となるも、その途中でリリスを保護する。
紆余曲折を経てアイテムの面々と合流し、そこで着せられているスーツが書庫であると推理。
その後フランキスカと戦闘になり、追い詰められるもここまで守ってきた赤子のリリスに助けられる。
書庫争奪戦の決着後、『己の感情に従い、悲劇の元凶でも守護する』上条当麻と
『悲劇を無為にしないため、全ての元凶に引導をつける』一方通行の対峙に、50vs50の均衡を崩す最後の一票として介入し、
アレイスターに大熱波で失われた素養格付の代替データとそれ以上に価値のある保険を要求し、承諾を得た。
イギリスの決戦にも参加することを決め、パンツ一丁の姿からとりあえず服を着るべく準備を始めた。

新約二十巻~新約二十二巻のイギリス編では、アレイスターらに同行し滝壺を伴ってイギリスに上陸。
途中、上条らと別れ娘々(ニャンニャン)ネフテュスと行動を共にする羽目に陥る。
その後、アレイスターらの攻撃で重傷を負い倒れていたダイアン=フォーチュンを救出、行動を共にし絆を深めるも、
アレイスターが龍脈のバランスに干渉したことでダイアンが消滅したことに憤り、あらゆる手段を使ってでも彼女を蘇らすことを決意する。
その後はコロンゾンと取引して、ダイアンを蘇らせる代わりにモ・アサイアの儀の執行を手伝い、紆余曲折の末ダイアンを取り戻すことに成功した。

新約二十二巻リバース。上条の背中を一方通行と共に押し、戦闘にも協力した。
事件終息後、滝壺と学園都市に帰還。同じく学園都市に戻ってきていた絹旗や麦野とも再合流し、再び学園都市で暮らしていくことを決めた。

創約二巻。一瞬のみ登場。アンナと遭遇したが、戦闘はしなかった。

創約三巻。オペレーション・ハンドカフスに巻き込まれた上、滝壺が再び体晶の毒に苦しみ始めたことで行動を起こす。
2人で学園都市の外に逃げるため、オニグマなどと協力しながら、カキキエ隧道を目指す。
多くの犠牲を目の当たりにしながらも辿り着いた先で木原端数を下し、
最終的に学園都市で裁判を受ける決意をして滝壺とともに生還した。
アンナ曰く、ニコラウスの金貨を捨てられたのは浜面だけだった模様。
……が、事件収束後、黄泉川愛穂と今後について相談している最中、黄泉川の銃が暴発。
銃弾は浜面の腰の高さの辺りに着弾し、死を実感しながら意識を失った。

創約四巻では登場しないが、ダイアン=フォーチュン一方通行の会話の中で、
病院に搬送されてICUで治療を受けていることが語られている。

超電磁砲』第二十八話の扉絵、微笑む滝壺と背中合わせで彼と思われるジャージの少年が後ろ姿で描かれた。
その後、第七十八話にて『アイテム』の下っ端として正式に登場した。

【口調】

これといって特別な口調はないが、地の文では「頭の悪い話し方」だと強調されることが多い。
一人称は「俺」、二人称は基本的に「アンタ」。
一方通行のことは「一方通行」と呼ぶことがほとんどであり、
上条のことは例外もあるが、共闘関係にある際は「大将」と呼ぶことが多い。

【備考】

鎌池氏は、SSを執筆していた頃から「こいつが活躍したら読者も驚くだろうな」と
構想しており、事実多くの読者にとって一介の敵キャラクターに過ぎない浜面の主人公格への抜擢は予想外の出来事であった。
前述にもあるように浜面は「単なる雑魚キャラポジションから自力で這い上がってヒーロー」となった主人公であり、それが浜面の大きな特徴である。
鎌池氏曰く、上条や一方通行などの他キャラクターは「勝たなければ話を進められない」「負けたら悲惨なことになる」という
条件設定の上で戦うのが基本であるが、浜面はそれらへのアンチテーゼとして
「負けても話を進められる」「地べたを這いずって泣きじゃくってでも前に進めるキャラクター」として生み出されたという。

ゲーム「とある魔術の禁書目録 幻想収束」にて多くのメインキャラクターが登場する中、主人公であるはずの浜面のみが半年以上という長い期間未実装だった。
遂に迎えた実装のはずだったがCGモデルが用意されないアシストキャラかつ期間限定という憂き目にあった。
そして、やっと迎えたバトルキャラでの実装はサービス開始から約14ヶ月後となった。


最終更新:2022年03月19日 17:12