【種別】
タイトル
【初出】
電撃大王2007年4月号〜連載中(2007年2月21日号〜)
原作:鎌池和馬
作画:冬川基
キャラクターデザイン:はいむらきよたか(灰村キヨタカ)
【概要】
本編『禁書目録』の外伝漫画。
正式タイトルは『とある魔術の禁書目録外伝 とある科学の超電磁砲』。
鎌池和馬氏によるプロットを元に、冬川基氏が詳細なストーリーと作画を担当。
キャラクターデザインは、『禁書目録』からのキャラクターと各編ごとの主要キャラクターを
はいむらきよたか氏。
帆風潤子など、主に『超電磁砲』が初出のキャラクターは、冬川基氏やゲストのイラストレーターらが担当する。
担当編集は『超電磁砲』および後述の『アストラル・バディ』、『心理掌握』いずれも荻野謙太郎氏。
舞台は主に
学園都市内で、『禁書目録』三巻を美琴視点で再構成した『
妹達(シスターズ)』編など、
『禁書目録』本編では描かれなかった科学サイド(主に美琴の周辺)の出来事を描いてゆく。
『禁書目録』との密接とリンクしており、
青髪ピアスなど禁書目録側の主要キャラクターのゲスト出演も多く、ファンからの評価も高い。
作画担当の冬川氏のこだわりにより、単行本での加筆・修正シーンが極めて多い。
中には雑誌連載時にエピソードごとカットされる場合もある。
(例:天賦夢路編で美琴が
インディアンポーカーで見た夢の数々)
単行本と雑誌を見比べて違いを見つけるのも一つの楽しみ方かもしれない。
【『超電磁砲』からの派生・関連作品】
『超電磁砲』と密接にリンクする派生作品や関連作品として、以下の2つがある。
『超電磁砲』10周年を記念した作品。
食蜂派閥の
縦ロールさんこと
帆風潤子が主人公。
タイトルにあるように「禁書目録の外伝である超電磁砲の外伝」として、帆風や食蜂操祈、
蜜蟻愛愉などの過去と現在が描かれた。
作画担当は乃木康仁氏。2017年4月〜2020年7月まで連載。
食蜂操祈を主人公として、食蜂派閥をはじめとした
常盤台中学の
派閥や
警策看取などを中心に描かれる。
漫画担当は『アストラル・バディ』に引き続いて乃木康仁氏。2021年7月より連載中。
詳細はそれぞれの当該記事を参照。
【時系列】
『禁書目録』一巻の冒頭は七月十九日であるのに対し、
『超電磁砲』第一話は、それよりも前の七月十六日から始まる。
各編の時系列を『禁書目録』本編に大まかに対応させると、
- 「幻想御手(レベルアッパー)編」:本編一巻とその前後、ニ巻
- 「妹達(シスターズ)編」:本編三巻とその前日譚
- 「大覇星祭編」:本編九〜十巻
- 「天賦夢路(ドリームランカー)編」:本編十四巻〜十六巻の間
- 「獄門開錠(ジェイルブレイカー)編」:本編十六巻直後〜十八巻の間
となる。
なお、「御坂美琴一年生編」は本編一年前の春からスタートしており、現時点では『禁書目録』側に相当する話は存在していない。
各編への分類が難しい話や、『禁書目録』との時系列のリンクが複雑な話も数多く存在しているため、詳しくは
も参照のこと。
【連載開始まで】
電撃大王編集部が『とある魔術の禁書目録』の漫画化を持ちかけたところ、
担当から「(スクウェア・エニックスの)ガンガンでやるからダメ」と断られてしまう。
しかし、あきらめきれない電撃大王側は、人気キャラクターの1人である御坂美琴に注目。
そして、「科学サイド……いや、御坂美琴は電撃大王に寄越せ」と言ったのがはじまり。
(『とある魔術の禁書目録ノ全テ』超電磁砲担当編集の荻野謙太郎氏の談話より)
なお「初期案では
白井黒子が主人公だった」というネット都市伝説が存在するが、
これは
荻野氏によって否定されている
。
ただし原作者の鎌池氏は、『電撃PlayStation』『オトナアニメ Vol.16』所収のインタビューにて
「漫画化の話を貰った当初、自分は黒子が主人公の話を考えていた」(要約)と語っており、
このコメントを素直に読み下せば「初期案では黒子が主人公だった」という言説も間違いとは言えない。
これに対して荻野氏は「鎌池氏が黒子を主人公にしたプロットを書いたのは事実だが、
それは『超電磁砲』の案が練られる以前の話で、実際に連載されている『超電磁砲』とは全く別物」
(したがって『超電磁砲』の初期案では黒子が主人公だった、とは言えない)としている(
出典
)。
ただし「初期案」という言葉が具体的に何を指しているのかがそもそも曖昧であるため、
「どこからどこまでを『とある科学の超電磁砲』と呼ぶのか」によっては荻野氏の説明は反論として成立しなくなる。
結局のところ「初期案では黒子が主人公だった」という都市伝説は、
「正確な表現ではないが、デマとまでは言えない」程度に見るのが妥当と言えよう。
【アニメ】
第一期『とある科学の超電磁砲』が、2009年10月から2クールに渡って放送された。
前半は原作版『超電磁砲』の「幻想御手(レベルアッパー)編」をアレンジした内容。
後半はオリジナルストーリーの「乱雑開放(ポルターガイスト)編」となっている。
「乱雑開放編」は、「幻想御手編」と「妹達(シスターズ)編」の間に設定のみ存在したエピソードである。
前期オープニングの「only my railgun」はオリコン3位を獲得。
後期オープニング「LEVEL5-judgelight-」はミュージックステーションで放送され、
BDとDVDは初動で2万枚を超える売上を記録するなど
大ヒットした事により、とあるシリーズが多くの人々に認知されるようになった。
第二期『とある科学の超電磁砲S』は、2013年4月から一期同様に2クールで放送された。
前半は原作版『超電磁砲』の「妹達(シスターズ)編」。
後半はオリジナルストーリーの「革命未明(サイレントパーティ)編」。
第三期『とある科学の超電磁砲T』は、第二期から約7年後、2020年1月から9月まで放送された。
全25話(2クール)予定だったが、新型コロナウイルス感染症流行の影響によって通常体制での制作が困難となり、途中で何度か再放送を挟みながらの変則3クールでの放映となった。
前半は原作版『超電磁砲』の「大覇星祭編」。
後半は原作版『超電磁砲』の「天賦夢路(ドリームランカー)編」。
一期・二期のような長編のアニメオリジナルエピソードはないが、これについては当初から「
原作マンガに忠実にアニメ化する方針
であり、長編アニメオリジナルエピソードは無い」と明言されていた。
【備考】
原作ファンからも全体として評価は高いが、アニメオリジナルエピソードの評判は分かれがちであり、
特に第二期後半の「革命未明(サイレントパーティ)編」は批判的な意見も見られる。
原因としては
- 原作に登場しないロボットが追加される
- 本筋に関係がない日常描写を増やす
- 本来白兵戦をしない佐天にバットを持たせて前線に立たせる
- 細かな設定の齟齬(『超電磁砲S』においてフレンダがレベル4とされることがあった)
etc…
等、アニメと原作漫画の間の様々な変更によるものである。
また、アニメでは原作版『超電磁砲』を忠実にアニメ化する方針が最初から出されていた第三期を除いて、
本来の『超電磁砲』で重視されていた『禁書目録』本編とのリンクが排除される傾向にあった。
一例として、『禁書目録』一巻の冒頭と『超電磁砲』六話・七話がリンクする「7月19日の夜」についても、
・ファミレスで美琴に絡んでいる『不良を』
上条が助けようとしてしまう
・大量の不良に追われ、上条が「不幸だ」と叫びながら街中を逃走
・鉄橋の上で美琴と上条がやりとり。上条の
異能を打ち消す力や『妹達』の件に触れる
までの一連のシーンに関して、上条の存在が完全に排除された結果、
内容が全く異なるオリジナルストーリーに差し替えられ、『禁書目録』とのリンクが失われている。
このように、ストーリーや登場キャラが大幅に改変されることが多くあり、特に第一期ではその色が濃い。
なお、アニメ第一期の第二十話~第二十四話の「乱雑開放(ポルターガイスト)編」は、
原作『超電磁砲』の三〜四巻の間に設定上は存在するも、描かれることなくお蔵入りした幻のエピソード。
放送後には原作に逆輸入され、
春上衿衣が写真で登場することもあった。
アニメ第二期『超電磁砲S』の「革命未明(サイレントパーティー)編」については以降全ての媒体で言及がない上、
PSPゲーム『とある科学の超電磁砲』(こちらは原作でも触れられている)と時系列が被っていることから、ファンの間で正史として扱われることはほとんどない。
しかし、荻野氏によると「
アニメのエピソードはすべてあったものとして(漫画を)描いている
」との事なので設定上は正史に組み込まれているようである。
『超電磁砲』第一話と第二十四話で美琴が発した台詞
「ホント退屈しないわねー、この街は」
は、科学サイドを舞台にしたその後のアニメシリーズでお決まりのセリフとなっている。
『超電磁砲S』第一話:上条「全く、退屈しませんねー。この街は」
『超電磁砲S』第二十四話:美琴「ホント退屈しないわねー……」 白井/佐天/初春「……御坂さん(お姉様)と居ると!」
『一方通行』第十二話:一方通行「ったく、退屈しねェなァ。この街は」
『超電磁砲T』第二十五話: 食蜂「ホント退屈しないわねぇ、この街は」
デザインについては以下のように、実際に過去に一度変更されている。
『禁書目録』と全く同じデザインのタイトルロゴ。
目次ページの話数表記も「第十一話」のような縦書き漢数字表記。
別のデザイナーが起用され、タイトルロゴも『超電磁砲』専用の新デザインが起こされた。
目次ページの話数表記も、「第45話」といった横書きのアラビア数字表記となっている。
【刊行】
- 一巻(2007年11月10日)
- 二巻(2008年6月10日)
- 三巻(2009年2月27日)
- 四巻(2009年10月27日)
- 五巻(2010年6月26日)
- 六巻(2011年2月26日)
- 七巻(2011年12月17日)
- 八巻(2012年10月27日)
- 九巻(2013年8月27日)
- 十巻(2014年7月26日)
- 十一巻(2015年10月27日)
- 十二巻(2016年11月26日)
- 十三巻(2017年11月27日)
- 十四巻(2018年10月11日)
- 十五巻(2019年10月10日)
- 十六巻(2020年10月26日)
- 十七巻(2022年2月26日)
- 十八巻(2023年3月27日)
【関連】
最終更新:2023年03月16日 21:58