【種別】
生き様?

【初出】
一巻

【解説】
魔術を行使する人間の総称。
本来魔術師ではない聖職者や宗教関係者が魔術を扱う場合もあるが、
こちらも後に述べるような特徴を持つため、広義の魔術師に含まれる。

性格や目的などは魔術師により様々だが、
近代魔術師(アドバンスドウィザード)と呼ばれる現代を生きる魔術師は、全体的に個人主義が強いという特徴がある。
多くの場合において魔術師は過去に何らかの挫折や苦悩などの経験を抱えており、
「まっとうな手段では叶わない願い」を持つが故に、魔術という異常な手段に頼りそれを叶えようとする。
その成り立ち故に、魔術師の行動原理にはまず「個人的な願い」があり、
その願いを魔法名という主観的な目標として自らに刻んでいる。

その性質上、戦闘行為に対し訓練され感情を殺した「人間兵器」ではなく、
相手の言葉に感情的に応対したり単独戦闘を好んだりと、戦闘において非効率的な行動を取る者も多い。
この点から土御門元春などに「素人」と揶揄されたりもする。
ただ、その戦闘能力や魔術の腕に関してはまったく別の話である。
また、魔術師同士の戦闘は相手の術式を解析・逆算することで抜け道や対策を講じたり、
罠や先手の読み合いや駆け引きをしたりなどの行動が主であるため、一種の高度な頭脳戦とされる。

魔術師にとっては、組織に属するのも「個人的な願い」を達成するための手段でしかなく、
利用できる間は忠誠を誓っても、邪魔になれば容赦なく裏切る。
組織側もこの個人主義的な傾向を放置しているわけではなく、
「集団で無ければ使えない魔術」や「裏切り者に対する制裁」などの「飴と鞭」で統制を計っているが
それでも決定的な束縛にはならず「やるやつはやる」らしい。
基本的に集団行動を嫌う者たちであり、
『黄金』を作る目的で掲げられた錬金術師という天才集団も、
大抵は人格的な問題からそりが合わずに内部分裂を起こしているという。

魔術自体は誰にでも使えるため、学べばどんな者も魔術師となることが可能。
そのため単に魔術を使うだけでなく、自力で術式を改良・研究・開発までできて初めて一人前として認められる。

魔術師の中でも、魔道書の「原典」を執筆するなどして魔術知識を広める事に力を入れる者や、
弟子に魔術を教えるなど後進の育成に力を入れる者については、
特に区別して「魔導師」と呼称される。

最終更新:2019年09月27日 00:30