【種別】
人名

【初出】
新約七巻

【CV】
青山 吉能


【概要】

第一三学区にある薬味久子の大学附属病院に勤務している看護師。
冷淡な性格で職務に忠実だが、患者さんにフレンドリーなあだ名
(例:「ぶくぶくちゃん」「ミスターサイケデリック」等)を付けたりする一面がある。

しかしそれは表の顔であり、その正体は学園都市の技術の粋を集めて作られた特殊なサイボーグ
コンセプトは『学園都市に七人いる超能力者が全て同時に統括理事会へ敵対行動を取った場合の対応策』。
つまり彼女一人でレベル5全員を同時に相手にし、さらに全員を撃破可能という超スペックを前提として開発されている。

【能力・スキル】

彼女自身は能力者ではないが、背面内部の『編み棒』を展開して人体配線の設計図を変更することで、
自分の体を他者の『能力の噴出点』とすることが出来る。
噛み砕いて言うと「恋査の体内構造を他の能力者と同一にして、
他人の身体を恋査の身体の一部とみなすことで、他人の能力を借用する」という機能を持つ。

本人の言によれば「第一位から第六位までのレベル5と、
半径200m以内の任意の能力者から自在に能力を引き出すことが可能」とのこと。
なお、解析不能な第七位については
「能力コピーこそ出来ないものの、他の六人分の力でゴリ押しすれば撃破できる」としている。

ただし「噴出点」の原理上、一度に引き出せる能力は一つだけ。
マルチスキルのように複数の能力の同時使用は出来ない。
また、あらゆる能力を使えるが、それをどう扱うかは恋査自身の技量次第であるため、
能力者本人のように能力を使いこなせないこともありうる。
さらに、機械の身体の都合上、「超電磁砲」では砂鉄の剣など強力な磁力を必要とする技を使えなかったり、
肉体があるため「未元物質」の再生・無限増殖が使えないなど、その真価を完全に発揮できない能力もある。
「レベル5と同じことができても、そのレベル5に及ぶとは限らない」といったところだろう。
ただし「一方通行」のように本人よりも効率よく使える物もある。
(恋査はミサカネットワークに頼っておらず時間制限が存在しない)

作中では黒夜窒素爆槍美琴超電磁砲を始め
一方通行も完全に実現し、さらには「黒翼」や「白翼」までも実現させている。
上条幻想殺しも再現を試みたが、
手首に何かが集まっていった後、腕が弾け飛び、大量のノイズが走り気絶、機能不全に陥ってしまった。

全超能力者を一機で賄えてしまえるように思える本機だが、
その生産と維持費には学園都市を傾けさせるほどの予算が必要であり、現状は量産不可能なワンオフ機となっている。
そもそも彼女の存在理由自体が、『学園都市に七人いる超能力者が全て同時に統括理事会へ敵対行動を取った場合の対応策』という、
後ろめたい事情のある統括理事会の「お守り」的なものであり、
実用性では各超能力者を模したファイブオーバーシリーズには遠く及ばない。
また「噴出点」を設けて能力を借りているだけなので、能力の源となる人物が死ねば当然その能力は使用不能になる。
(例えば垣根帝督が死亡すれば未元物質は使用不能になる)

【人物/作中での行動】

あらゆる能力者を再現するために「機械化人間でありながら、生物学的人間要素を極限まで排除する」という矛盾に満ちた構造をしており、
「脳以外の総ての部分を機械化する」どころか、
脳そのものさえもほとんど削減され、機械に置き換えられてしまっている。
実質的に人間である部分は脳の視床下部の一部だけ。
そこだけは現在の学園都市の技術をもってしても代用不可能とのこと。

また、唯一の人間部分である視床下部の一部も消耗品として扱われており、
損傷したり何らかの変化で適合しなくなった場合は他のストックと交換される。
そのため同じ恋査であっても、中の人物は一定ではない。
交換された視床下部は狙撃蜂の演算誘導部品に再利用される場合もあるようだが、消耗品扱いなのは変わらない。
現在ストックされている脳は#40まであり、これ以前にも何十人もの人物が使い捨てられている。

しかし♯29によると、彼(彼女)らにとって薬味は恩人であり、自ら望んでこのような状態となることを受け入れたらしい。
(曰くこれより酷い人生、運命が存在し、今の状態でもはるかにマシなのだとか。話を聞かさせた上条は言葉を失っていた)

作中に登場した「恋査」はこの2名。
  • 恋査#28
一番最初に登場した恋査。性別不明だが恐らく女性。
病院で働いていたのもこの人物。
冷淡で機械のような思考をしているが、患者に独特なセンスのあだ名をつける一面も。
戦闘においては合理と安全を重視し、様々な能力を切り替えながら遠距離から封殺する戦法を使用している。

浜面と黒夜を圧倒したが、参戦した上条によって近接戦に持ち込まれ、自身のペースに出来ず苦戦。
最後には上条を追い詰め首を掴んで宙吊りにしたが、その瞬間を突いた黒夜の攻撃を防ぐために幻想殺しの使用を試みた。
すると右腕に謎の力が流れ込み腕が破損、大量のノイズとともに機能不全に追い込まれる。
その後修理され復帰したが、薬味の意思に従い離脱した。

  • 恋査#29
♯28の後に組み込まれた恋査。性別不明だが恐らく男性。
♯28とは打って変わりハイテンションな性格。しかし根は冷静であり、不測の事態にも楽しみながら対処する。
能力の切り替えは使わず、シンプルに第一位の能力のみで戦闘をする。
曰く「近距離高速戦特化」。感覚よりも演算結果に重きを置いており、五感で追えない超音速の戦闘にも躊躇しない。

♯29の技量もあって上条と垣根に対して勝るとも劣らない戦闘をするが、連携攻撃で損傷を負う。
しかしそれをトリガーに「黒翼」を発動させ、垣根を戦闘不能にし、上条も「前兆の感知」を封じることで圧倒する。
だが覚醒したフレメアが薬味を恋査に叩き込み、その影響で恋査のボディが崩壊しはじめる。
「薬味を守る」という思いからか「白翼」にもたどり着いたが、
上条と最後の戦いの末、ボディが完全に崩壊し機能を停止した。

♯28から♯40までの脳の一部は一応「生きている」らしく、戦闘後上条の手で回収されたものの、
彼らは脳の大部分を失っているために、単独では思考を行うことさえできない。
現状で彼らを救う方法は、恋査と同型の甲体を作って移植するしかないが、恋査の持つ危険性故にそれも許されない。
現状ではどうすることもできないため、将来救出方法が開発される可能性に賭けて、
上条の依頼により第七学区の(おそらくカエル顔の医者の勤務する)病院で冷凍保存された。

【使用した能力一覧】

(未遂・失敗含む)


最終更新:2024年03月29日 01:27