【種別】
魔術

【初出】
十六巻

【解説】
フィアンマが振るう強大な術式、またはその力そのもの。
非常に勘違いされがちだが、フィアンマの右肩から現れる歪な形をした第三の腕は聖なる右が空中分解した姿である。
神の右席』としての性質が示すように、
『右方の天使』である神の如き者の力である、
どんな邪法だろうが悪法だろうが、問答無用で叩き潰し、悪魔の王を地獄の底へ縛り付け、
1000年の安息を保障した右方の力。
それら奇跡の象徴たるミカエルの『右手』を元にした命名である。

あくまで『人間』であるフィアンマには、
そのままの状態では、『右腕』の力を完璧に引き出すことは出来ない。
実際、ローマ教皇に振るった際は一振りで空中分解しそうになり、
上条当麻と対峙した際にも、
数回ほど威力を発揮しただけで自然消滅してしまうほど不安定で不完全。
フィアンマはこの力を完全に発揮するために、
を求めた。
ブリテン・ザ・ハロウィンにおける混乱を突いて禁書目録の『遠隔制御霊装』を得たことにより、
空中分解は避けられないものの、その状態で固定することが可能になった。
その後、召喚した神の力ベツレヘムの星を利用した儀式で四大の歪みを正すことでさらに強化される。
そしてベツレヘムの星における戦闘で上条の右腕を切断。
右腕の血肉を第三の腕に取り込むことで受肉し、遂に『聖なる右』は完成した。

この右腕は「倒すべき敵や試練や困難」のレベルに合わせて、
自動的に最適な出力を行う性質がある。
そのため『幻想殺し』の相殺能力すら超える莫大な力を常に生み出し続ける出力を持ちながら、
その力をフィアンマが思った通りの結果を出すために適切に行使できる。
莫大な出力と様々な力を持つ腕自体が、最適な力を自動で発揮するため、
フィアンマには戦闘で勝利するための、破壊力・速度・硬度・知能・筋力・間合い・人数・得物等が必要ない。
例えば「触れれば終わる」から破壊力はいらないし、「振れば当たる」から速度はいらない。
ただ右手を振ればそれだけで勝ってしまうという、戦闘において万能と呼べるとんでもない能力。
上条は「RPGのコマンドに『倒す』がついてるようなデタラメさ」と評した。
他にも、水平方向で射線が通っていれば、
どれだけ離れていようと、途中が空中だろうと、望む距離を瞬時に移動できる。
瞬時に距離をとって攻撃を回避したり、キロ単位の超遠距離から一気に距離をつめることも可能。
他にも30~40kmもある巨大な剣を行使することが可能。
加えて『十字教的な奇跡は大抵右手をもって行われる』という繋がりから、
『神の右席』でありながら、多くの十字教的超常現象を自在に行使できる。

上条の『幻想殺し』を取り込んだ事で『聖なる右』は完成し、遂にフィアンマは『神上』に到達。
十字教のあらゆる神話を再現できるほどの一撃で、用済みとなった上条を葬ろうとしたが、
攻撃は右腕の肩口の断面から現れた「莫大な力」に真っ二つに引き裂かれた。
その後、「莫大な力」は上条の意思で食い潰され、上条の『幻想殺し』は再生した。

「必要に応じて最適な出力が出る」ということは
「敵対者のレベルに応じて出力が上下する」ということでもあり、
莫大な力を引き出そうとすれば、それに見合う「敵」が必要となる。
故にフィアンマは「第三次世界大戦」及び「それを引き起こす人の悪意」を「敵」として設定し、
戦争を煽ることで『世界を救えるほどの力』を引き出そうとした。
しかし、フィアンマの予想に反し、人の善意が悪意に勝ったことで予定の出力に至らず、上条に敗れた。

なお、フィアンマ曰く、幻想殺しと聖なる右は『似たような力』であるらしい。
ただし、フィアンマも完全に幻想殺しを理解していたわけではないらしく、
アレイスターには、
「十字教程度で幻想殺しや右手を説明しようとしたのが失敗」と批判されている。


最終更新:2017年03月24日 19:21