(4)その他遺棄現場状況
・現場の林道に、車が脱輪した跡や道路脇の樹木に接触した形跡もない 東京新聞05-12-4
・遺体が見つかった場所の周辺だけは(下草が)まばらだった。 朝日05-12-4
・未舗装道路脇の斜面。乗用車は入ることができるが、方向転換をするスペースがないため、後退で戻るしかないという。 朝日05-12-5
・木は約2メートル間隔で規則正しく植えられ、下草や雑草もなく、林道から遺体のあった場所は容易に見ることができる。 読売05-12-6
・遺体の第一発見者は「人形かと思った」と話していたが、斜面は林道からもはっきりと見える。 毎日新聞 2005年12月6日 東京夕刊
・遺体が見つかった斜面は路上から視認でき、 毎日05-12-6
・斜面にはヒノキが2~3メートル間隔で伸びていた。遺棄現場のさらに下は、ささやぶになっていた。朝日05-12-6
・約30度の急斜面で、林道から遺棄した場合、さらに下まで滑り落ちてしまうため、捜査本部は、林道から犯人が遺体を抱きかかえるなどして斜面を歩いて下り、遺棄したとみている。 読売05-12-6
・遺棄現場は、・・・下草や雑草は少なく土が露出している。・・・林道からの見通しは良く、車で現場を通りかかった第一発見者の男性3人は車内から遺体に気づいた。 読売05-12-7
・遺棄現場周辺のタイヤ痕や女児のものとみられる血痕の状況などから、犯人は遺体が見つかった斜面の直近まで林道を車で進入したとみられることが 共同05-12-10
・約50メートル進むと行き止まりになり、Uターンできるスペースがあるが、ハンドルを切り返したような痕跡は見つからなかった・・・ 犯人が・・・遺体を遺棄。車に戻って約50メートル手前の分岐点までバックし、県道に戻ったとの見方を強めている。
(共同通信) - 12月10日19時17分更新
・遺棄現場の林道斜面に下りる手前の未舗装路で、車がバックした際にできる特徴的なタイヤ痕がいくつか採取された。 共同05-12-12
■(コメント)
今さらなので、遺体発見現場の地理に関するものはほとんど省略した。
茨城県道102号線から「大宮広域聖宛」近くの林道を200mほど山に入り、右側の支道に右折して50mばかり行った地点、左側の斜面10m下が遺棄地点。
斜面は林道のこの地点にさしかかった車からからもはっきりと見渡せた。ということは、夜間でも車を道の端に寄せて、ヘッドライトをロービームにすれば斜面がいくぶんは照らされるだろう。木立からの散乱光も少しはある。もしかすると遺棄時、犯人は懐中電灯は使わなかったかもしれない。
(5)遺棄地点の血痕
・現場に血痕などはなく、 読売05-12-2
・遺体の発見現場周辺の草木に荒らされたり、血痕が散っていたりする様子はなかった。 朝日05-12-3
・遺棄現場周辺には血痕はほとんどなく、 朝日05-12-3
・遺体発見現場には血痕がなかった。 産経05-12-3
・発見された斜面には血痕はほとんどなかったという。 05-12-4朝日
・遺棄現場にはそれほど多くの血痕は残されていなかった。産経05-12-5
・体中の血液を失った状態で死亡していたが、遺体発見現場には女児の血痕がほとんどなかった。共同05-12-6
・遺体に血液がほとんど残っておらず、遺体の周辺にもあまり血液が流れていない 茨城新聞05-12-7
・遺体の周囲に大量の血痕が残されていたほか、何者かが遺体を運ぶ途中に落ちたとみられる血痕も多量だった 下野05-12-7
・遺体は・・・斜面に横たわった状態で、多量の血痕があった。・・・血痕は・・・新しい状態だった。下野05-12-8
・遺体周辺の血痕は女児と同じO型だった。共同05-12-8
・遺棄現場付近から人の血は少量しか採取されていない 共同05-12-8
・遺棄現場周辺で見つかった血痕は少量で、 茨城新聞05-12-8
・胸などに血液が付着していたほか、周辺にも少量の血痕が点在していた 毎日05-12-11
・遺体には血液はほとんど残っておらず、現場にあった血液の量が少ないことなどから、捜査本部は別の場所で殺害され運ばれたとみている。 朝日05-12-31
・遺棄現場や遺体内に残っていた血液は少量で、ふき取った形跡もないことも分かった。 読売 06-6-1
■(コメント)
総合すれば、遺棄地点での血痕は少量かほとんどないといっていいくらいだったと判断されるが、どういうわけか下野05-12-7・05-12-8がまったく逆の報道をしている。
2つの下野の記事は事実と合わないことが、理屈的にも推定できる。ポイントは遺体の失血状態がはなはだしいということ。((13)遺体の失血状」、メモ・▼林道上の血痕についてのあーだこーだ▲参照)
(6)林道上の血痕
・血痕は、未舗装の林道を10メートルほど入った地点から始まり、ジグザグに、点々としながら遺棄現場近くまで続いていたという。 朝日05-12-4
・女児の遺体は常陸大宮市の林道から約十メートル下の斜面で見つかり、真上付近の林道には少量の血痕があった。 東京05-12-5
・血痕は、有希ちゃんのものとみられ、林道入り口付近から遺体のあった場所まで約200メートルにわたって十数メートル間隔であったが、血液の量は比較的少ないという。 読売05-12-5
・血痕は林道が二手に分かれて未舗装となった右側の道に、約五十㍍にわたって付着。遺体が見つかった斜面付近まで続いていた。 茨城新聞05-12-5
・現場脇の林道に血痕が点在していることが確認された。血痕は少量で比較的新しく、 毎日05-12-5
・分かれ道から約50メートルの間に点在する形で有希ちゃんの血痕が検出されていた。 毎日05-12-6
・現場付近には約200メートルにわたって約10か所の血痕が残されていた。血痕は林道の入り口付近から林道を右折し、遺体のあった場所まで続いていた。血液の量は比較的少なく・・・ 読売05-12-6
・血痕が約50メートルにわたって点在し、この中には有希ちゃんの血液型であるO型以外の血痕が混じっていた。 毎日05-12-7
・林道には、点々と血痕が残っていた。・・・O型の女児の血液以外にもう1種類、別の血液があった。2種類の血液とも比較的新しい状態だったという。 朝日05-12-7
・また遺体発見現場までの林道に点々と残っていた血痕は、動物の血だったことが新たに分かった。 共同05-12-8
・林道入り口付近から遺棄現場まで約200メートルで約10か所の血痕が残されていたことがわかっているが、 読売05-12-9
・約50メートルの間にO型と鳥獣の血痕が点在していた。 朝日05-12-9
・遺棄現場近くの林道に、約50メートルにわたって点々と付いていた血痕は、すべて動物のものと確認された。 毎日05-12-9
・未舗装の林道には動物と人の血液が混在、 茨城新聞05-12-10
・このうち雑木林の斜面に残されていた血痕はO型の人血のみで、林道にはO型の人血と鳥獣の血液が混在していた。 産経05-12-10
・未舗装の林道から採取した血痕の一部は、DNA鑑定の結果、有希ちゃんのものであることが14日、わかった。・・・捜査本部は、犯人が遺棄現場近くまで車を乗り付け、遺体を抱えて斜面を下り、遺棄したとみている。 読売05-12-15
・遺棄現場周辺のタイヤ痕や女児のものとみられる血痕の状況などから、犯人は遺体が見つかった斜面の直近まで林道を車で進入したとみられる 共同05-12-20
・林道上に女児のまとまった量の血痕が残され、犯人が遺体を一度置いたか落下させた疑いがあることも判明。 下野06-6-1
・常陸大宮市の山林では、「まとまった量の血液」も見つかった 読売06-11-30 「追跡 今市事件」(10)
■(コメント)
朝日05-12-4に血痕500mというバカ記述があるが、これは50mの間違いなので外した。
紛らわしいことに、林道上にあったほとんどすべての血痕は狩猟による動物血だった。報道を総合すると結局、林道上の女児の血痕は、遺棄地点のすぐ上に1ヵ所「まとまった量」のものが存在しただけ、という構図になる。これが事実とすると、林道上には「まとまった量」の血痕があるのに、遺棄地点にはほとんど血痕がないらしいというのはなぜだろうか。
この点を何とかかんとか考えてみたのが、 メモ・▼林道上の血痕についてのあーだこーだ▲