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瀬戸内のカイとゲルダ19

「…ぁ」
それは、着物の袂に忍ばせておいた元親のお守りであった。
無事に航海を続けられるよう、願いを込めた札が入っているものだが、何よりも元
親にとってかけがえのない宝物が、一緒に入っているのだ。
そんな元親の様子に気付いた元就は顔を上げると、彼女の視線の先にあった古ぼけ
たお守りを手に取った。
「──何だこれは」
「…だ、ダメ!返して!」
途端に大声を出してきた元親に、元就が不審に思っていると、口の開いたお守り袋
から、白い紙切れが顔を覗かせていた。
手足をバタつかせて取り返そうとする元親の身体を押さえながら、元就は何重かに
折り畳まれた紙切れを広げる。
そこには、年月により掠れが目立っていたが、そこそこに器量の整った男の顔が描
かれていた。

それは、所詮はじめから実る事などない、元親の初恋の人であった。
技芸や芝居を見せながら、各地を巡業して回っている一座が四国に訪れ、当時少女
だった元親は、家臣にせがんで連れて行って貰い、そこの看板役者の男性にひと目
ぼれしたのだった。
程なくして巡業を終えた一行は、四国を発ってしまったけれど、その時に手に入れ
た役者の絵姿は、淡い思い出と共に、元親の胸の中に生き続けているのだ。
「お願いだから…返して……」
「……ふん。これが、貴様の想い人か」
懇願の眼差しを向けられた元就は、絵姿の男性を胡散臭げに見つめていたが、不意
に元親の方をちらりと一瞥すると、口元を歪ませた。
刹那、ビリ、と鈍い音を立てると、男の姿が描かれた紙が、元就の手からこぼれ落
ちていく。
「あ…あぁ……!」
大切な思い出を破られた衝撃で、元親は暫し呆然と風に四散していく紙切れを目で
追っていたが、やがて顔を怒りの表情に変えると、僅かに上体を起こして片手を翻
した。
小気味良い音に続いて元就の頬が赤くなったが、それを気にする事無く、元就は口
角を更に物騒な形に開くと、再度元親を褥の上へ押し倒した。
もがく元親の足首を掴み、一気に開かせようとしたものの、がっちりと合わせられ
た元親の膝が、邪魔をする。
「この男に、操立てでもしているのか」
「?何を言っ…やぁぁ!?」
業を煮やした元就は、閉じた脚はそのままに元親の太腿の後ろへ手を回すと、奥ま
った秘所まで一気に指を滑り込ませた。
あまり潤っていない元親のそこは、元就の指を受け入れるどころか、触れさせる事
すら拒んでいた。
一向に開く気配のない花弁を強引に指で剥くと、元親から悲痛の叫び声が上がった。
ゼイゼイ、と喘ぐ度、元親の大きな胸が上下に揺れる。
声にならない声で「やめて」「放して」と涙混じりに哀願される。
だが、そんな元親に構わず、元就は尚もその先に隠された陰核を探り当てると、親
指と人差し指の腹で乱暴に擦り付けた。
瞬間、

「ヒッ…?…キャアアアァァーっっ!?」

女性の陰核は男性の陰茎と同一視され、その感度は男性の数倍にも及ぶ。
その強烈な刺激は、元親にとって快感とは程遠かったのだろう。
未知の恐怖と疼痛その他に、元親は絶叫を放つと、ガクリと崩れ落ちた。
瀬戸内のカイとゲルダ20